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薬害肝炎:1622施設で記録保管 フィブリノゲン納入

 薬害C型肝炎の原因になった血液製剤フィブリノゲンが納入されていた約7000医療機関のうち、約4分の1の1622施設に当時のカルテなどが残っていることが、厚生労働省の調査で分かった。厚労省は04年にも同様の調査をしたが、その際「記録あり」とされたのは477施設。記録がないために薬害の被害証明をあきらめた感染者もいたとみられ、舛添要一厚労相は当時の調査の不十分さを認めた。

 調査は、肝炎訴訟に絡む「418人リスト問題」の発覚を受け、昨年11~12月に住所が分かる6609医療機関を対象に実施。1日までに回答があった5089施設のうち、感染の危険があった94年以前のカルテや分べん記録、注射指示の文書などを「保管している」とした施設は1622施設で、04年調査の3.4倍に達した。

 舛添厚労相は15日の閣議後会見で「04年の調査はカルテの有無だったが(今回は)あらゆる物を出してくれと言った。きちんとやっておけば、もっと数字は出ただろう」と述べ、調査範囲の違いが増加の一因との見方を示した。だが、カルテが残っていたのは全体の2割近い1213施設に上り、当時の調査のずさんさを裏付ける。

 肝炎訴訟の全国原告団代表、山口美智子さん(51)は「04年に国がきちんと指示を出していれば、もっと被害者の掘り起こしが進み、早い対応が取れたはず。薬害の深刻さを隠そうとしていたとしか思えない」と批判している。【清水健二】

毎日新聞 2008年2月15日 13時29分 (最終更新時間 2月15日 15時37分)

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