第101回国家試験採点結果について
はじめに
第101回歯科医師国家試験受験,大変お疲れ様でした。
また,このたびはネット採点にご参加いただき,誠にありがとうございます。採点処理が完了いたしましたので,発表いたします。
次項には試験の概要,その後に採点結果による分析につきまして掲載しております。

《ご案内》
ネット採点にご参加いただいた方へは,2月21日前後に,成績表を発送させていただきます。
今しばらくお待ちいただけますよう,お願い申し上げます。
国家試験概要
■試験時間と出題内容


■第100回国家試験からの変更点
 1. A〜D問題の出題方式の変更
 2.一般問題でX2 typeの出題(58問/210問)
 3. Negative questionの廃止(2問/365問)
 4. CBTに近似した問題の増加
 5.治療法の優先順位や診断の根拠を問う問題の頻出
 6.表紙の問題の変更
採点結果分析
分析に使用しましたデータは,ネット採点参加者からのものとなりますので,以下の点につきましてご了承いただけますようお願い申し上げます。
例年,採点参加者のデータは,
1.本番の国家試験よりも平均点が高めに出る傾向があります。
2.不適当問題が現時点は不明のため,割り引いて考える必要があります。
  (特に臨床問題などは1問不適の場合,1%程度動いてしまいます。)

第101回国試採点サービス参加者 平均得点率
総合73.1% 一般問題74.5%  臨床問題71.9% 必修問題88.9% 
A問題74.0% B問題80.5%  C問題71.3% D問題72.6% 

第100回国家試験の合格基準点は,一般問題64.1% 臨床問題57.7%
昨年度の採点サービスに参加された方々の平均得点率は,下記の通りでした。

第100回国試採点サービス参加者 平均得点率
総合68.8% 一般問題71.9%  臨床問題66.3% 必修問題80.9% 
A問題73.6% B問題73.6%  C問題70.5% D問題62.4% 

以上より 昨年並みの75%の合格率とすると,ボーダーは,一般65% 臨床61%
近年一番低かった93回並み70%の合格率とすると,ボーダーは,一般66% 臨床62.5%
程度と考えられます(必修は80%以上で絶対評価)。
あくまで,参加者からのデータとお考えください。
必修問題について
A問題,B問題の1−25番が必修問題と考えられます。
正答率が60% 未満の問題が不適当問題となりますが,今回は60%未満の問題はありませんでした。
ただ,採点サービスからのデータなので,本当の国家試験とは差が出ている可能性があります。
A9(66.5%)A10(68.6%)B3(62.8%)B20(68.0%)
の4問が60%台の正答率ですので,不適当問題がでるとすればこの中からだと思われます。
禁忌問題について
臨床問題に禁忌肢はありません。現在考えられる,他の禁忌肢については模範解答に掲載いたしました。
各予備校の解答の差について
コメントを載せました。(あまりにもありえない選択肢については,コメントしておりません)

A100 c(33.9%) d(49.6%) ※( )内は国試採点サービスにおいて選択された方の割合です(以下同様)
(保険医又は保険薬剤師)
「健康保険法」第64条
 保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は,厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師(以下「保険医」と総称する。)又は薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)でなければならない。
 よって,dを正解とします。

A105 e(41.3%) c(47.9%)
パノラマ無名線って話っぽいですね!
eを正解とします。

A127 ad(41.3%) cd(7.2%)
a 鼻腔の塵埃排出は線毛の役割です。
c 基底線条は唾液腺導管での水の再吸収を担います。
dは○なので正解はcdです。

B37 b(53.4%) c(41.6%)
顔面の血管腫が抜歯に関連があるかないかです。
抜歯時に神経障害に注意とのことですのでcとしました。

B80 a(0.9%) b(25.8%) c(45.6%) d(11.1% ) e(16.1%)
気胸など閉鎖腔のある患者には禁忌です。
喘息やてんかん,過換気症候群の既往のある患者にはよく検討した上で決定します。
ということは,正解はeということですね!

C15 ad(69.7%) ab(28.4%)
過去問の基本治療では口腔清掃指導後にスケーリング・ルートプレーニングです。
が…,問題文中に動揺度が2度と書いてあること,また前歯部であることから,咬合調整?
という迷いです。咬合調整ならばルートプレーニングを外すしかないかな?
と悩みながらad≧abですがadを正解といたしました。

C12 de(49.8%) be(18.7%)
冠不適合が幅がせまく,深いポケットの原因とは考えにくいので,正解はde。

C26 ac(23.3%) ae(41.6%)
義歯を2年前から装着しているので顎堤吸収や人工歯の咬耗は生じているだろう!
ならばae!その結果,リリーフされていた部位まで当たりだしたと考えるべきかな?ということでしょうか。正解はae。

C42 ac(22.4%) ad(40.2%) bc(13.7%) cd(8.2%)
これは難しいですね!
cは正解だと思いますが,adどっちだろう?って感じです。
ただ,リベースとリライニングを同時に選ばせるだろうか?ってことでacが優勢です。

D8 c(42.0%) d(43.8%)
c 開窓:過去問を見ると可能性あります。
d 下顎骨辺縁切除:エックス線写真からcより優先度は高いと思われます。
cの可能性は十分にありますが,適応を考えるとdかな?

D12 ab(16.9%) ad(30.6%) bd(19.6%)
悩みに悩んだ結果abといたします。dのスムースブローチは根管の方向を探るもので,後からの登場でしょう。

D14 a(46.1%) e(29.2%)
下顎第二大臼歯で根管を拡大できないため瘻孔が消失しないと書いてあります。
根管拡大できれば消えるのであれば,根管拡大しやすい状況に!という感じです。
また,根が樋状根みたいになっているので歯根分離が可能?ということもあって,意図的再植法ではないかと…。よってeとさせていただきます

D18 ce(63.5%) ac(29.7%)
打診を正答した予備校は???な感じです。正答率を見ても学生さん方の勝ち!!原因の歯を見付けるのではなく,ろう孔の原因なので,エンドかペリオかを探るため,ceが正解。

D47 a(71.2%) e(13.7%)
これは絶対aです。
術前の写真が開咬を伴っているので,手術の結果FMAが減少します。


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