人工妊娠中絶の許容範囲拡大めぐり論争
保健福祉部は13日、未婚女性が望まない妊娠をしたり、既婚女性が家族計画などの理由で希望する場合にも人工妊娠中絶を認める方針を示し、今後激しい論争が予想される。
現行の母子健康法では、優生学、遺伝学的な精神障害、伝染性疾患、暴行や血族間の性交渉で妊娠した場合、妊婦の健康を害する場合に限り、人工妊娠中絶が認められている。保健福祉部の検討案は、人工妊娠中絶の許容範囲拡大を目指したものだが、宗教界では事実上中絶を自由化するに等しく、生命倫理に反するとして強い反対論が巻き起こっている。
保健福祉部は、延世大医療法倫理学研究所に委託して作成した「人工妊娠中絶許容の限界」と題する報告書で、許容範囲の拡大案を示し、ソウル市内で同日、公聴会を開いた。政府案は人工妊娠中絶を厳格に禁止した刑法が死文化していることを踏まえ、年間34万件に上る中絶件数を減らすためにも、中絶の許容理由を規定した母子健康法を実態に合わせる必要があるとの判断が背景にある。
政府案は、無能児など胎児の異常で出産後の生存が不可能な場合や既婚女性が家族計画で中絶を望むなど「社会的適応事由」も許容範囲に含めるとしている。また、人工妊娠中絶が乱用されないよう医師、弁護士、社会福祉士との相談を義務付けることも盛り込まれている。
現行の許容範囲にある優生学、遺伝学的な精神障害と伝染性疾患に関しては、医学的に意味がないため廃止するとしている。また、中絶に際し配偶者の同意を義務付けている条項も、妊婦の権利を侵害する恐れがあるとして削除された。高麗大の金海中(キム・ヘジュン)教授は、2005年の人工妊娠中絶件数が34万2433件に上り、同年の新生児数(43万8062人)の78.1%に相当すると推定している。
公聴会でカトリック大医学部人文社会医学科教授のイ・ドンイク神父は「社会的適応事由を許容範囲に含めれば、人工妊娠中絶の自由化につながる」と反対した。しかし、弘益大法学部のイ・インヨン教授は「一部の国家では人工妊娠中絶を合法化しているにもかかわらず、中絶率が低いのは避妊やカウンセリング、妊婦支援などの社会福祉対策が充実しているためだ。韓国も中絶を規制するだけでなく、妊婦の保護なども考慮すべきだ」と主張した。
キム・ドンソプ記者
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