平城遷都1300年記念事業のマスコットキャラクターが発表された。シカと童子を組み合わせた不思議な風ぼう。どちらも奈良の象徴には違いないが、一方に絞っても良かったのでは、と私は感じた。
春成秀爾さんの「弥生時代の始まり」(東京大学出版会)によると、シカは弥生時代、銅鐸や土器に描かれるなど、土地の精霊と考えられていたらしい。春成さんは、春から秋にかけてシカの角が生え変わる様子が稲の成長と時期的に一致することに注目。角が稲の成長を促すと信じられたためではないかと推測する。
キャラクター人気が遷都祭への出資や人出を促してくれればよいが。(林)
毎日新聞 2008年2月14日