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世界の子育て:オーストラリア~カルチャーショック!? Part1 マックフェイル佐奈絵さん

電車は楽しい乗り物!
電車は楽しい乗り物!

 2年ぶりにオーストラリアの夏休みを利用して、6週間ほど日本を訪れた。

 前回に比べ、今回は子どもの年齢があがり、体験するもの全てに驚きや不安そして順応などの反応がみられ興味深かったので、紹介してみたい。

 まず、日本に着いてすぐにお世話になり、子どもに驚きと恐怖を呼び起こしたのはトイレだった。日本に住んでいるときは当たり前で気にならなかったが、やたらいろいろな機能がついている。まず、温水洗浄便座。ボタンを押さなければ水が出てくることはないのだが、座るといきなり水の音を発生する機種がある。水を温めるためではないかと思われるが、便座には何も付いていないのが当たり前の国から来た子どもには恐怖のいすとなってしまった。子どもたちは、便座の前方ぎりぎりのところにお尻をのせ、用を足すとすぐに立ち上がる癖が付いてしまった(掃除がたいへんだった!)。更に、お尻乾燥、音姫(トイレ用擬音装置)、便座消毒用スプレー、使い捨て便座カバー……。何度それらの用途を尋ねられたことか!

公園の遊具はオーストラリアとは違うねえ!
公園の遊具はオーストラリアとは違うねえ!

 当然のように使用していたものだが、これら全てが必要不可欠なものではないとも思った。なぜかといえば、ただでさえ日本は人が多く、トイレでは行列していることが頻繁にあるのに、トイレに入ると便座を消毒し、用を足すために音姫を使い、ウォッシュレットでお尻を洗い、乾燥させて出てくるとなると、相当の時間と紙や電力などが消費されていることになるからだ(健康や衛生面でいい部分もあるのは認めるが)。

 水道の蛇口の自動化はとってもいい。石鹸を泡立てる間、蛇口にさわらなくても水が止まってくれるのでむだな水を流さなくて良いからだ。しかし、子どもにはこれが楽しくて、洗い終えた手をまたセンサーにかざし、余計な水を使ってしまった!

 水不足のオーストラリアにはこれを取り入れてほしいと思うが、利用人数が日本に比べ少ないし、孤立した地域も多いので、導入費用や故障修理などのことを考えると無理なんだろうなあ。

 次に必ずお世話になるのは電車だ。日本の電車は機能的で便利だ。自動券売機に、自動改札。子どもたちは電車が大好きで、切符を買うのにボタンを押したり、自動改札を通るのが楽しくてしょうがないようだった(乗り換えも多いので日本滞在中の後半になると、子どもは「あといくつ電車に乗るの?」が口癖になっていた)。都心や観光地の電車では、必ず日本語と英語のアナウンスが入るので、子どもは両方を聞いて知らず知らずのうちに、違いを聞き分けている様子がうかがえた。

 電車の少ないブリスベンでは、移動はほとんど自家用車かバスだ。ブリスベンの都心近郊バスは飲食禁止になっているが、自家用車で移動することが多いオーストラリアの生活では、車内での飲食が日常生活の中に組み込まれてしまうことも多い。自家用車では、小さな子どものチャイルドシートの使用や、乗車中全員のシートベルト着用が義務付けられている。その子どもたちに、シートベルトなしの電車で同じところにじっと座り、できるだけ社内で食べ物を口にしないようにと納得させるのは骨を折った。

元旦のお屠蘇も経験しました
元旦のお屠蘇も経験しました

 公共の場所で隣り合わせたりするとすぐに会話を始めるオーストラリア。子どもたちに話しかけられた人たちは、ほとんどがいい反応をしてくれたので、親としてもほっとしたところだ。しかし、以前に比べ電車内で本や新聞を読んでいる人が減り、携帯電話を見つめてピコピコやっている人が目に付いて異様に思えた私は、日本では時代遅れになってしまったのだろうか。

マックフェイル佐奈絵さん プロフィール

1965年生まれ。大卒後、獣医として東京の動物病院で働いていたが、2000年にオーストラリア人の夫と出会い結婚。2001年5月、長女を出産した。同年12月にオーストラリア・ブリスベンに移住し、2003年6月にこの地で二女の出産を経験した。2児の母になり忙しさは増したが、子どものお陰で初対面の人との英会話もスムーズに運び、自分自身の活動範囲も広がりつつある。

*ご意見、ご感想はbebe@mbx.mainichi.co.jpまでお送りください。

 2008年2月14日

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