鳩山邦夫法相=似顔絵=は13日、法務省内で開かれた検察長官会同で訓示し、違法な取り調べが問題となった鹿児島県議選の買収無罪事件について「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではないと考えている」と述べた。
鳩山法相はその後、記者団に「定義がはっきりしない冤罪というものをこの事件まで適用すると、無罪事件は全部冤罪になってしまう。裁判の結果、無罪になったケースととらえたい」と説明。一方、「捜査上の問題があったことはよく分かる」とした上で「検察官の士気を上げるために、十分反省した上で『積極的に前を向いてくれ』と言いたかった」と釈明した。
同事件の元被告で国賠請求訴訟原告団長の藤山忠さんは「これが冤罪じゃなくて、何が冤罪なのか。法相という立場にある人間がそういう発言をするとは、あきれてものも言えない」と憤った。
毎日新聞 2008年2月14日 西部朝刊