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生活
市立病院 士別市が名寄に経営統合を要請 名寄は難色示す(02/15 08:39)【士別、名寄】医師不足で経営が悪化している士別市立病院(常勤医十七人、二百三十床)と、上川北部の中核病院である名寄市立総合病院(同五十七人、四百六十九床)の広域連携をめぐり、士別市が名寄市に病院同士の経営統合を働き掛けていることが十四日、明らかになった。士別市は名寄側の分院となることで医師確保と経営改善を図りたい意向だが、名寄市は士別側の経営内容が悪いことに難色を示している。市立病院同士の経営統合を探る動きが道内で表面化するのは初めて。 同日の士別市議会で相山慎二副市長が「一つの経営体としてやっていけないか(名寄市と)慎重に模索している」と述べ、水面下で協議していることを明らかにした。 両市によると、協議は昨年秋、道医療対策協議会の自治体病院の広域化・連携構想案に沿い、士別市が名寄市に申し入れた。両市は一部事務組合方式などによる統合を念頭に、名寄側から士別側へ医師を派遣するほか、名寄側の病床を診療報酬の高い急性期患者向けとし、士別側は外来十一診療科を維持しつつ、病床を症状の安定した慢性期患者向けに特化させる方向で検討に入った。 この案では、約百五十人いる士別側の看護師のうち数十人を名寄側へ移し、士別側の人件費を縮減。名寄側は入院患者数に対する看護師の比率が「七対一」を超すことで、診療報酬の入院基本料が高くなる利点が見込まれていた。 しかし、試算の結果、名寄側で診療報酬の増加以上に人件費がかさむことが判明。このため、名寄市は「(現状での統合は)非常に難しい。ただ、地域医療の安定は不可欠なので協議は続けなければならない」(今尚文副市長)とする。士別市は「経営改善と医師確保には、名寄側との連携しかない。上川北部全体の医療を守るためにも理解を求めていきたい」(相山副市長)と、経営改善策を示して協議を続けたい考えだ。 士別市立病院は、二○○四年春に二十六人いた常勤医が、旭医大の派遣中止などで激減。これにともない収入が落ち込み、累積不良債務(実質赤字)が○七年度末で約十三億円に膨らむ見通し。名寄市立総合病院は累積不良債務はない。 |
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