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GDP:日本経済「片翼飛行」 家計部門の弱さが不安材料

 10~12月期の国内総生産(GDP)は、市場の予想を大幅に上回る成長となった。ただ、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを表す寄与度でみると、家計部門(個人消費、住宅投資)がマイナス0.2ポイントと押し下げ要因だったのに対し、企業部門(設備投資、純輸出)の伸びがプラス0.9ポイントと高く、企業部門で成長を支える「片翼飛行」だったことが鮮明だ。

 個人消費は5四半期連続プラスとはいえ、前期比伸び率は0.2%と横ばいに近い状態だ。10~12月期の名目雇用者報酬(名目賃金×雇用者数)が前年同期比0.2%増にとどまるなど、好調な企業収益が賃金増加を通じて家計に十分波及していないとみられる。ただ、石油製品や食品価格の上昇なども考慮すれば、個人消費は逆風が募る中ではむしろ健闘したともいえる。

 建築確認審査が厳格化され建築着工が大幅に減少した影響は10~12月期も続いた。住宅投資も7~9月期(前期比8.3%減)よりマイナス幅が拡大し、同9.1%減。10~12月期は住宅投資だけで実質GDPを0.3ポイント押し下げるかく乱要因となった。

 一方、片翼飛行を支えた輸出をみると、減速が鮮明になっている米国景気の動向が今後の最大の不安要因だ。内需が弱い中で、輸出が鈍化し、頼みの企業部門の支えがなくなると、ついに景気全体が失速しかねない危うさがつきまとう。【三島健二】

毎日新聞 2008年2月14日 12時19分

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