中国の水をきれいにする日本人
世界の“水”が支配される!―グローバル水企業(ウオーター・バロン)の恐るべき実態 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2004-08 |
「連山」というサイトがあって、なんだか軍事マニアで歴史マニアのようなんだが、想像するに、政府の役人じゃないかと踏んでいるわけだ。愛国官僚ってヤツか? まぁ、正体探しはどうでもいいんだが、話は中国だ。
アメリカが誇った最先端の情報工学や遺伝工学は、地球の多くの人々は既に必要としていない。化学肥料や大型のトラクターや航空機に依存する石油漬けの農業も石油価格の高騰で必要とされなくなった。巨大な軍事力も大量の核兵器も人類には必要ない。真に人類に必要なのは有機栽培農法やローテクによる廃水処理などの環境技術です。
で、その例としてリンクされているのが読売新聞の記事なんだが、コレだ。
環境省は、低コストで簡単に設置や維持管理ができる生活排水の処理設備を、中国の農村部に導入する事業に新年度から取り組む。現地の人たちだけで長く活用できる仕組みが実情に合うと判断した。
中国では台所やトイレからの汚水を地面に穴を掘って染みこませたりしている地域が多く、河川や地下水が汚れ、飲料水の質に悪影響が出ているという。
事業は、日中の協力で水質汚濁などに取り組む「水環境パートナーシップ」の一環。くみ取り式トイレに加え、水質浄化の機能がある微生物を含んだ土や砂利に汚水を通したり、そうした微生物が付着した円盤を水槽の中で回転させたりする装置など、仕組みが簡単で、必要な機械もポンプやモーター程度で済む設備を、数か所の地域で導入。4年かけて効果を検証する。
水環境パートナーシップというのは、
正式名称を「アジア水環境パートナーシップ」(WEPA)と言って、
各国の自発的な水問題解決への行動をまとめた「水行動集」に、環境省が登録した施策の一つです。この事業は、アジアモンスーン地域の水質汚濁問題の解決を図るため、水環境の情報基盤整備と人材育成を一体的に行うことを通じて、当該地域の水環境のガバナンス強化を目指すものです。WEPAパートナー国:カンボジア、中国、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、韓国、タイ、ベトナム、日本(11カ国)
まぁ、顔ぶれを見れば判るんだが、結局、水処理技術を持たないアジア諸国のために日本がひと肌脱ぎましょう、という事だな。で、水が汚染されていると評判の中国なんだが、その水を日本の力でなんとかしましょう、と。そのために、日本の誇る浄化槽技術を提供しようというんだが、YOMIURIの記事で見る限りでは、提供する技術というのは、平面酸化方式と回転板接触方式だと思われる。で、簡単に説明すると、まず、ウンコを大きな穴に溜める。どんどん溜める。空気が入らないので、嫌気性の微生物で分解されるんだが、これを「腐敗槽」と呼ぶ。そこからあふれた汚水を、迷路のように延々と砂利を敷きつめた小川みたいな水路を流して、ここで空気が入り込んで好気性の微生物によって分解され、きれいな水になるという仕組みだ。これが平面酸化方式と言って、もっとも単純な構造の浄化槽である。
この方式の利点としては、ポンプもモーターも要らない、自然流下だけで処理するので、電気が要らないところ。欠点としては、効率が悪くて、水があまりきれいにならないところ。また、設置面積が広く必要であり、臭気が出るというようなトラブルも多い。まぁ、こういうのは管理といっても何もできないわけで、限りなく垂れ流しに近いんだが、垂れ流しよりはちょっとマシ程度。むかしは日本でも、こういうのが存在した。今ではもちろん、許可されない。
昭和25年に建築基準法が制定公布され浄化槽の構造基準が新たに定められました。その内容は、多室型腐敗槽と散水ろ床と消毒槽を組み合わせた型式でいわゆる基準型と呼ばれるものです。しかし、基準型はろ床の維持管理が難しいこと、放流のためにポンプを必要とする場合があること、建設費が割高であること等の欠点があり、それを補う名目で特定行政庁の認定を得ていわゆる特殊型と呼ばれる浄化槽が設置されました。その種類は全国で200以上にも及びました。特殊型の腐敗槽の構造は変型2階タンクと見なされるものが最も多く二次処理装置はほとんど例外なく平面酸化方式を採用しています。中には腐敗槽流出水の大部分を地下に浸透させるものも出てきました。
中国の汚水をなんとかしましょうと言っても、あの国では電気も来てない農村というのが多いわけだ。そういう土地では、この方式しか使えない。現在は生屎尿をそのまま畑に撒いたり垂れ流したりしているので、これだけでもずいぶん違って来るんだが、日本でいえば昭和20年代のレベルの話をこれからやろうというのだから、気が遠くなってしまう。
で、問題は次の回転板接触方式なんだが、これは方式がちょっと違って、微生物が付いた回転板をモーターでグルグルと回転させるわけだ。適度に空気が入って、好気性微生物によって汚水が分解される。・・・はずなんだが、どうもうまく行かないわけだ。日本でもずいぶん研究されたんだが、現場ではあまり評価されていない。そもそもブロワーのポンプでなくモーターで回転させるというところで、機械的な動きが介在する。そのためメンテナンス性に問題があって、頻繁に点検しなきゃならないとか、効率があまり良くないとか、ひと頃は高速道路のPAで採用されたりしていたようだが、今ではあまり流行らない。まぁ、メーカーからの強い要望があったんじゃないか、役人さんは現場を知らないからしょうがねぇなぁ、なんて声もあったりするんだが、そこんとこ、どんなもんですかね。
で、厚生省とか東京都とかで戦後すぐからウンコで苦労してきた爺さんというのが、日本にはまだ少数、生き残っているわけだ。そういう爺さんを中国の現場に連れて行くと、冥途の土産で張り切って仕事すると思うので、うまく活用するといいと思います。
華人に対して環境技術を援助する変わりにアメリカ没落後の対露防衛協定を日中で結んだらしい。
中国側が提出したのは日本の売国奴とスパイのリストだとか
投稿 噂話 | 2008/02/14 19:53
メタンガス生成装置として日本に逆輸入するのアル
雲固知新
投稿 愛国無罪放免 | 2008/02/14 20:39
設置者には一銭の利益にもならないようなものを支那人がやりますかねえ。
そういや以前、石井式合併浄化槽ってのがけっこう話題になりました(ヤクルトの容器を使うやつ)。ネットで調べても悪く書いているようなところはなさそうだし(ほめてるとこばっか)、かといってそれほど普及しているとも思えないし…。
投稿 飯田橋 | 2008/02/14 21:51
取りあえず、低コストの石井式濾水器はどうでしょうか。
投稿 マンジョンボン | 2008/02/14 22:16
沖縄の養豚場で自然浄化をやってるとこがあったような気がしますよ。
投稿 TK | 2008/02/14 22:19
ヤクルトの殻を使うヤツは、あちこちで実用化されているんだが、だんだん性能が落ちるんだよ。調子が良いのは最初だけ。汚泥が中に溜まって、洗浄するのがむずかしい。担体は、やはり専用の物が良い。
投稿 野次馬 | 2008/02/14 22:47