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大阪府知事三代の怪

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              (橋下知事を怒らせたNHKアナウンサー)

<大阪府知事三代の怪>

橋下弁護士が大阪府知事選挙でダブルスコアの圧勝をしてから、いろいろと奇怪なことが起きている。その一つは、前知事の太田房江が真っ赤な服を着て、やたらに民放番組に出演していることである。

彼女が橋下候補と選挙戦で接戦を演じて落選したのなら、それは「敗将兵を語る」という趣旨だから分からないではない。しかし、彼女は「不明朗な金銭疑惑」のために立候補辞退に追い込まれた人間なのだ。それに、彼女は膨大な財政赤字を積み残して退任した責めを負う身であり、当分謹慎していなければならない立場にあるのである。それが、テレビ局から声がかかると喜々として出演し、自分の功績をあたりかまわず吹聴しているのだから変な話なのだ。

太田前知事は、大相撲の大阪場所の表彰式に大阪府知事賞を自ら贈呈したいと言い出して相撲協会から拒否されている。そのほか阪神タイガースが優勝したときには、御堂筋の優勝パレードに参加したり、彼女のスタンドプレーの多さは周知の事実だったのだ。太田房江は東大の経済学部を出て中央官庁に入省した才媛だが、彼女がそうした経歴を持ったエリート女性にありがちな性格的歪みを持っていることは、早くから指摘されているところだったのである(片山さつきも同様)。

奇怪なことの第二は、当選した橋下徹がやたらに苛立ちはじめたことなのだ。
お調子者の橋下知事は、選挙で圧勝したことや、テレビ局の引っ張りだこになったことで大いに自信を深めたらしく、NHKに対して高飛車な抗議を突きつけたのである。

彼の言い分は、こうである──自分は出演予定の番組に間に合わないと分かった時点で、そのむねを放送局に連絡しておいた、にもかかわらず、その番組を担当したアナウンサーは番組の中で事情を説明する代わりに自分が遅刻したことを指摘しただけだった、これは到底許せない、というのである。

彼は、もっと自分を傷つけないような紹介の仕方があったはずではないかといいたいらしいのだ。では、どういったらいいのだろうか。「橋下知事はごらんの通り当番組に遅刻したように見えますが、知事には責任がありません。ご多忙な知事に無理に出演をお願いした私どもが間違っていたのであります」とでも言えというのだろうか。

彼を激怒させた女性アナウンサーは、知事とは北野高校時代の同級生だったという。だから彼女は知事への親しみを込めて、「30分遅刻されましたが」と知事の到着を一同に告げたのである。普通だったら、多少気に入らない紹介の仕方であっても、昔の仲間のことだからと笑って済ますところを、橋下知事は相手が昔の仲間だったからこそ腹を立てたのだ。

俺は昔の橋下ではない。対立候補をダブルスコアで破った橋下サマだぞ、俺に対して気安い調子で物をいってくれるな、とまあ知事は、こんな気持ちでいたに違いないのである。

さらに、彼は、放送を終えて帰ろうとしたとき、放送局の職員が、「ご苦労さま」とも「ありがとうございました」ともいわなかったと憤慨している。これはそのへんの女王気取りの女子高校生が口にするような言いぐさで、ここまで来ると思わず失笑せざるを得なくなる。こんな知事を上司に仰がねばならない府庁職員には、心から同情の念を禁じ得ないのである。

──今、傍らのテレビでは、橋下知事による最初の定例記者会見が行われている。知事は、打ってかわって低姿勢になり、府庁職員に感謝したり、自分は世間知らずの人間で実態を知らないまま、勝手なことを言っていたとか、しきりに反省の弁を述べている。この反省が、長続きすることを大阪府民のために祈るばかりだ。

太田前知事の前は、横山ノックが府知事だった。大阪府民は、この横山知事を二選し、横山知事辞任後の出直し選挙で当選した太田房江をやはり二選している。横山ノック、太田房江という問題知事を選出する失敗を犯しながら、大阪府民は今度も橋下徹という危なっかしい知事を選んだのだ。

大阪府民は、どうしてセクハラ漫才師や目立ちたがりの女性官僚やお調子者弁護士を次々に知事にするのだろうか。選挙民がとんでもないイカサマ候補者を当選させることは、間々あることだ。だが、次の選挙には別の候補者を選び直すのが通例なっている。しかし、大阪府民は、懲りもせずに同じ過ちを二度三度と繰り返えしている。とすれば、その理由を精神病理的な観点から検討する必要がでてくる。

江戸時代以来、大阪は商都で、政治の中心江戸を距離を置いて眺めてきた。主義やモラルにとらわれず、実利優先の目で中央を眺めて来たのである。こうした姿勢は明治以後になっても続き、そこから関西人の反権力、反教養主義の姿勢が生まれた。これは結構なことなのだ。だが、それが「俗情への居直り」という形を取ると、ちょっと首をかしげたくなるのである。

関西人が、権力に楯突き、学問や教養を小馬鹿にする人物を見て、「あいつは面白いやっちゃ」と相手を評価するところまではいいのだ。が、反権力も反教養主義も、生身の人間を愛し、人間性を尊重するがためであり、その情念から発するものでありたい。残念ながら、横山ノック、太田房江、橋下徹の三氏は、面白いやつであるかもしれないが、人間尊重の念において、十分であるとは思われないのである。

大阪府知事三代の怪──この辺で終止符を打ってほしいと願うものは私ばかりではない筈である。

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