内閣府が14日発表した07年10~12月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は前期(7~9月期)比で0.9%増え、年率換算では3.7%増と大方の市場予測(1.5%前後)を大きく上回る高い伸びとなった。住宅投資が前期に続いて大幅に減少したが、設備投資や輸出が堅調で、内需、外需とも成長に寄与した。物価変動の影響を含んだ、より生活実感に近い名目GDPも前期比0.3%増、年率換算1.2%増となり、実質、名目とも2四半期連続のプラス成長となった。
07年を通した実質GDP成長率は前年比2.1%増で8年連続のプラス成長、名目GDP成長率も同1.3%増で4年連続のプラス成長となった。
ただ、設備投資や輸出に影響する米国景気がサブプライムローン問題の影響で悪化していることから、大田弘子経済財政担当相は会見で「景気回復基調の持続が確認できたが、今後の下振れリスクは高まっており、米国経済の動向や原油価格の動向などに十分注意したい」と述べた。
GDPの中身を分析すると、輸出は米国、欧州、中国向けとも好調で前期比2.9%増だった。設備投資も輸出の好調さを背景に2.9%増と2四半期連続で増え、企業部門がけん引役となった。
一方、改正建築基準法が昨年6月施行され建築着工が急減した影響で、住宅投資は前期比9.1%減と7~9月期よりさらに減少。個人消費も賃金や賞与の伸び悩みで盛り上がりを欠き、前期比0.2%増にとどまった。
12月に政府が改定した07年度経済成長率の実績見込み(実質成長率1.3%)は、仮に1~3月期が前期比1.6%減のマイナス成長でも達成可能となった。【三島健二】
毎日新聞 2008年2月14日 9時08分 (最終更新時間 2月14日 12時57分)