西宮市立中央病院(同市林田町)の経営改善案を考える「あり方検討委員会」(委員長、川瀬一郎・大阪大医学部付属病院副院長)は12日、同病院を経営上の裁量が広くなる地方独立行政法人に移行するよう求める内容の提言案をまとめた。市は提言を尊重する方針。
今月末、山田知市長に答申される。同病院は、07年度決算見込みで約4億5900万円の赤字を出すなどし、累積赤字は約74億円に膨らんでいる。常勤医不足から産婦人科が休診に追い込まれ、小児科も体制縮小するなどし、患者離れが加速していた。
このため、同市は昨年6月、医療関係者など11人からなる同委員会を設置。委員会は山田市長からの諮問を受け、計8回の会合を開いた。
提言は、地方独立行政法人化すれば▽病院の予算執行の裁量が広がり、診療時間や院内組織などの弾力化が図れる▽業務実績が第三者機関で評価、公表されるため、責任の所在が明確化し、経営改革の推進につながる--などのメリットをあげた。また、救急体制を縮小する病院が相次ぐ現状を踏まえ、同病院が西宮地区での救急搬送先の調整役として中心的な役割を担うべき、との意見も明記する。福井雄一・同病院管理部長は提言について「市民ニーズに沿い、公共性と自主独立性を併せ持った地域医療体制を目指したい」と話した。【生野由佳】
〔阪神版〕
毎日新聞 2008年2月14日