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社会
「給与、年金詐取された」 知的障害者4人 札幌 賠償求め提訴へ(02/13 07:18)札幌市内の食堂で働いていた知的障害者四人が、長年にわたり給与と障害者年金を食堂経営者らに詐取されたとして、食堂を経営する札幌の会社などを相手取り、約四千五百万円の損害賠償を求める訴えを十三日、札幌地裁に起こす。これに対して食堂側は関係者に「四人の生活費を賄っており、負担の総額は給与を上回っている」などと説明しているという。 同社以外に訴えられるのは、同社が加盟していた札幌の障害者支援団体と空知管内の金融機関。 障害者四人の代理人の西村武彦弁護士によると、四人は昨年までの十三−三十年間、札幌市白石区の食堂に住み込みで勤務。一日十二時間以上働き、休日は月に二日だけだった。この間、同社は少なくとも、一九八九年以降の四人の給与計約六千六百万円を支払わなかった。住み込みの寮に浴室はなく、四人は銭湯代三百九十円を週一回もらっていただけだという。 また同社は九九年、四人の障害者年金の振込先として空知管内の金融機関に四人の名義で口座を開設。しかし、四人は年金を一度も受け取っておらず、同社が無断で全額約二千六百万円を引き出していたという。四人は、本人確認をせずに口座開設を認めたために被害が発生したとして、金融機関にも賠償を求める。 障害者支援団体は、知的障害者の就労を促進する団体で、同社は八九年から加盟。同団体は二○○六年度まで、四人が生活する寮を所有しているとして札幌市から年額約二百万円の補助金を受けていた。四人は「寮の運営責任者なのに、長時間労働や不衛生な環境などの問題を長年放置した責任がある」としている。 この問題は、札幌の弁護士らが昨年一月に行った障害者の家族向け電話相談で発覚。九八年以前の給与不払いや年金着服を含めると、四人の被害総額は一億数千万円に上るという。時効などの問題があるため、請求額は四千五百万円に絞った。 一方、食堂を経営していた会社側は関係者に「四人の住み込みの生活費は給与を上回っており、実質的には持ち出しになっている」などと説明しているという。 訴える側の西村弁護士は「この会社は障害者を積極的に雇う社会的企業を装っていたが、実際は奴隷扱いしていた。実態に気付かなかった支援団体や福祉行政にも問題がある」と批判している。 同食堂は昨秋ごろに営業を停止し、現在は建物も取り壊されている。 【関連記事】
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