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道立紋別病院問題〜道の主体性求める声続く
(2月14日付け)
深刻な医師不足にある道立紋別病院の実態を調査しようと、北海道議会保健福祉委員会(沢岡信広委員長)の調査団(委員9人)が13日、同病院を訪れた。病院内を視察したほか、西紋管内の首長らと意見交換を行った=写真=。本格的検討が始まろうとしている西紋5市町村と道による「広域連合」について、西紋の首長からは、道の積極的な関わりや主体性を求める声が続いた。
紋別市の宮川良一市長は「3月末で循環器科の医師2人が退職し後任が見つからなければ、透析が受けられなくなる。患者の皆さんは深刻な不安を抱いている。現在12人の常勤医師が、新年度は8人になる可能性もある。道がこの状況をどう考えているのか疑問。広域連合についても、私たち(西紋5市長村)が道に協力を要請して行うという形ではなく、道が主体的に取り組んでほしい。保健福祉委員会の皆さんにもしっかりとバックアップしていただきたい」と要請。滝上町の長屋栄一町長も「道が広域連合に対して、どの程度負担するのかも分からない。道の関わり方と責任を明確にしてほしい」と不満を示した。
道立紋別病院の及川郁雄院長も現場を代表して発言し「医師の給与の問題だけでなく、医師が働きやすい環境になっていない。書類処理・作成など雑用が多く、それを任せられる専門職員も足りない。道に要請してもなかなか改善してくれない」と述べた。
これを受けて道議会保健福祉委員会の沢岡委員長は「医師の給与の低さについては我々も問題だと認識している。これを大胆に検討するくらいの切羽詰まった状況であると思う。いずれにしろ現状が改善されるよう全力で努力する」と理解を示した。他の委員側からは「それぞれの地域が一次医療を努力して担っていることは大いに評価する。その分、道は二次医療についての構想をきちんと示さなければならない」「医師確保については、道がやるべき問題だと思う」などの意見が出されていた。
意見交換会を終えた道保健福祉委員会の道下大樹委員は「現場や地域の生の声が聞けてよかった。財政難の道が、病院運営を地域に『丸投げ』するようなことがあってはならない。地域医療の崩壊をくい止めたい」と話していた。
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