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「ムシャクシャして」世界遺産に放火!?

相次ぐ放火で韓国の文化財受難の日々(上)

 無差別な放火で文化財や国立公園の被害が相次いでいる。

 水原華城や昌慶宮、北漢山などで放火によるとみられる火災が相次いで発生した。財産的な被害ばかりでなく、模倣事件が発生することも懸念されている。

◆相次ぐ無差別放火

 1997年にユネスコの世界文化遺産に登録された水原華城の西将台が、酔客の放火によって全焼した。1日午前1時30分頃、京畿道水原市八達区南昌洞の水原華城西将台から出火し、間もなく木造の建物の柱や垂木(屋根を支える部材)などに燃え移った。消防車約10台が出動し消火に当たったが、楼閣2階部分は約20分後にほぼ全焼した。

 警察は現場近くでアン某容疑者(24)の身柄を拘束し、放火容疑で逮捕状を請求した。警察によると、3か月前に失業したアン容疑者は前日の夜9時から独りで焼酎2本を飲んだ後、楼閣の2階に上がる階段の鍵を石を投げつけて壊し、箱に保管されていた巡察官の伝統衣装を取り出してライターで火をつけ逃走した。警察によると、アン容疑者は「クレジットカード会社からの借金が3億ウォン(約3,600万円)もあり、むしゃくしゃして火をつけた」と供述したが、その後「伝統衣装が巫子の衣装だと思って着てみたが、霊が乗り移ると思って怖くなり火をつけた」と供述を変えるなど、かなり動揺しているという。

 西将台は1996年にも放火で全焼し再建された。当時、ユネスコの世界遺産に登録される前だったが、再建費用が10億ウォン(約1億2100万円)であったことを勘案すると、今回の火災による被害額は倍以上に上るとみられる。

 先月26日には、ソウル市鐘路区臥龍洞の昌慶宮(史跡123号)の文政殿で、チェ某容疑者(68)が携帯ガスコンロ用のガスで放火し、門の一部を焼いて約400万ウォン(約48万円)の被害が出た。文政殿は昌慶宮の正殿・明政殿の南側にある建物で、朝鮮王朝の成宗の代に建造された。火が燃え移れば、20メートル離れた明政殿(国宝226号)など国宝級の文化財が焼失する可能性もあった。28日には北漢山でも放火によるとみられる山火事が1時間に4か所で相次ぎ発生し、約7,600坪が焼失した。先月にはソウル市の南山でも不審火が6回発生した。

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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