国民健康保険を保険者として運営する呉市が、後発医薬品情報を通知する新システムは、医療費増で生活が圧迫された加入者の負担軽減に加え、自治体側にとっても医療費が抑制できる「一石二鳥」の策という。国保で初の試みは、財政難に苦しむ全国の自治体から注目を集め始めた。
なぜ呉市が全国初なのか―。背景には、市が北海道夕張市のような財政再建団体に陥る可能性が出てきたため、財政集中改革宣言をして新年度から健全化策に取り組まざるを得ない状況がある。
団塊世代の大量退職などによる加入者の増大で国保運営の厳しさは増している。
市民にとっても薬代の軽減は朗報で、全国的にも拡大すべきだろう。ただ、命に直接かかわる薬だけに、品質や安全性など後発薬の慎重な選定と、加入者への周知徹底と説明責任がより求められる。
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