十六歳の少年ゴルファーが活躍し、高卒ルーキーが場外ホームランを打ったと騒ぐ。若い力の台頭はうれしいが、あらゆる世界にプロらしいプロが少なくなった時代の裏返しにも思える 政治の世界では、岐阜1区の党公認争いで宿敵の女性議員同士がこわばった顔で握手し、党の元幹事長が登場して「お手て、つないでー」と仲良しぶりを演出していた。笑うどころか悲しくなった。これが今ふうのプロかと 一時の熱気から覚めると、いったいあれは何だったかと恥ずかしくなる過去がある。刺客やらチルドレンに熱狂した国政選挙ばかりではない。タレント第一の地方選挙もそうだ。政界のプロとアマの垣根が低くなったことの表れに見える アマ優先の元凶は「プロ」といえば汚れた印象を残した過去の政治家の罪でもあろう。が、著名人なら何でももてはやす有権者も、そろそろ冷静になって真のプロを育てる時がきたのではなかろうか スポーツ界でプロとアマの距離が一番遠いのは相撲だ。そのプロを育てる猛稽古(もうげいこ)も例の事件でやりにくかろう。今は政界にこそ、激しい「稽古」と、厳しい「観客」の目が必要ではないか。
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