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診療報酬改定:窓口負担どう変わる…4ケースで試算

 中央社会保険医療協議会は13日、舛添要一厚生労働相に08年度の診療報酬改定方針を答申した。診療報酬(1点10円)の1~3割は患者の自己負担だ。4月から私たちが窓口で払う医療費はどう変わるのか、厚労省の試算に基づき、紹介する。【吉田啓志】

 <ケース1>月に2回、開業医で高血圧症の治療(2回のうち1回は5分未満)を受ける78歳の女性(4月から降圧剤を安価な後発医薬品に切り替え)

 特定疾患療養管理料(225点)や心電図検査(150点)は、月に1度しか請求できない新設の後期高齢者診療料(600点)に吸収される。外来管理加算は5点減の52点となるほか、5分未満の診察には適用されなくなるため、5分以上だった1回分を払えばいいようになる。総点数は930点で、75歳以上の窓口負担は1割だから990円から930円に下がる。

 薬剤費は後発医薬品を多く使う薬局への加算(4点)などが新たに加わるものの、1回分の薬剤料が126点下がるほか、調剤基本料も2点下がるため、自己負担も660円から380円へと下がる。

 <ケース2>糖尿病で病院(200床未満)に月1回通院する57歳の男性

 検査、投薬、注射などの費用を定額で払う生活習慣病管理料(1560点)を、患者の負担を減らし、治療を受けやすくするため1280点に下げる一方、200床未満の病院に適用される再診料は3点増の60点に引き上げられる。総点数は差し引きで1669点から1392点に減り、3割の窓口負担額は5010円から4180円に下がる。

 <ケース3>発熱し、午後8時に夜間救急センターで治療を受けた2歳女児

 08年度改定では小児科医不足対策として、小児科関連の加算を増やした。初診の小児科外来診療料は10点増の670点となるほか、小児科勤務医の負担を軽くするため、開業医が時間外に小児患者を受け入れた際に支払う地域連携小児夜間・休日診療料も50点増しの350点となる。

 時間外特例加算額に変わりはないものの、二つの診療料引き上げによって4月以降総点数は60点増の1250点となり、幼児の自己負担は2割なので、窓口で払う金額は2380円から2500円にアップする。

 <ケース4>急性虫垂炎(盲腸)で4日間、「患者10人に看護師1人(10対1)」体制の中核病院に入院し、盲腸の切除手術を受けた29歳男性

 勤務医の負担軽減策の一環として、10対1病院の入院基本料は1日当たり31点増の1300点となる。入院時医学管理加算も勤務医の収入増策で2倍の120点となるほか、医師の書類作成業務を代行する事務補助員を雇った病院には新設の「医師事務作業補助体制加算」(初日のみ185点)が加わり、これも患者負担に跳ね返る。麻酔管理料も130点から200点に引き上げられるため、総点数は1万4985点にアップし、3割の窓口負担額はこれまでの4万3100円から4万4960円に増える。

毎日新聞 2008年2月13日 22時49分

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