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秋山さんと新都心の工事現場の変化を追った２枚（上の絵が1998年制作、下はその１年前） |
二十五年にわたって旧大宮市の街の移り変わりを描き続けている、大宮区の画家、秋山静子さん(６７)の油絵展「ふるさとを描く―大宮」が、浦和区の県立近代美術館で開かれている。記録画としても貴重で、かつての街並みの絵の前で立ち尽くすなど、思い出を重ねる人も多い。十七日まで。入場無料。
秋山さんが大宮（当時）の街並みを絵に残そうと思ったのは一九八三年ごろ。大宮駅西口周辺の急激な変化がきっかけになった。「子どものころから目にしていた昭和初期の建物が次々に消えて行くのを黙って見ていられなかった」と話す。
バブル真っ只中のころだ。古い病院や旅館、材木店、商店などの建物、茅葺き（かやぶき）の家などが秋山さんのキャンパスに残されていった。これまでに描きためた
絵は約五百枚。今回は、その中から一九八七年から二〇〇七年に制作し
た約百五十枚を展示した。
「操車場から新都心」「ソニックシティのある風景」「旧家」「鉄道」「神社・仏閣等」のほか大宮、西、北、見沼の各区など、コーナーに分け、街の変化が分かるように絵に説明を付けた。
さいたま新都心の建設が始まる直前、近くのビル屋上から旧国鉄大宮操車場を展望した絵は、工事の一年前と一年後を描いた大作。「一年間の間にアリーナや官庁ビルが立ち上がり大きく変わりました」と秋山さん。
同ビルから十年間、操車場がさいたま新都心へと変貌して行く様子を見続けた。今ではビル跡に新しい道路が走る。
「バブルで街が変化したのも見届けた。緑が減り、絵の中の茅葺きの家も今はほとんどない」と秋山さん。大宮区の神田好子さん(６０)は「機関区で遊んだ幼いころの思い出が絵に詰まっている」と懐かしそう。五十代の主婦は「発展もいいけれど、貴重な風景が消えていくようで寂しい」と語った。
午前十時から午後五時半。問い合わせは、同館（ＴＥＬ０４８・８２４・０１１１）
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