食事は残り物のソバ、満足に銭湯にいくことも出来ないーこんな職場があるのでしょうか?
札幌市内の食堂で働いていた知的障害者が、運営会社などを相手取って裁判を起こしました。弁護士の記者会見では、耳を疑うような悲惨な仕事の実態が明らかになりました。
(西村武彦弁護士)「立ったまま、厨房で残り物のソバを食べさせてられていただけ」「もちろん給料をもらったこともない、いくらなのか説明も受けていないー」
労働時間は1日12時間、休みは月に2日だけー裁判を起こした知的障害者の弁護士は、「刑務所以下」だと語りました。
(長田記者)「裁判所に訴えた知的障害者たちが働いていた食堂はこの空き地に立っていました。去年11月に取り壊されて何も残っていません。訴えでは、ここで長時間劣悪な環境の中で働かされていたと主張しています」
裁判を起こした4人の知的障害者は、白石区内の食堂で住み込みで働いていました。給料も支払われず、お金は持たされていなかったといいます。
(西村武彦弁護士)「女性たち3人は390円をその都度もらうが、390円で風呂に入るとジュースが飲めないので2人入って1人は入らないと390円残るーその金でジュースを買う」
少なくとも6600万円にのぼる給料が支払われず、障害者年金2600万円を社長が横領していたと障害者側は主張しています。
実態を把握した弁護士が社長と交渉しましたが解決には至らず、損害賠償を求める裁判になりました。弁護士に対して社長は給料を払わなかった理由をこう話しているといいます。
(西村武彦弁護士)「この子たちは大変な子で24時間面倒見てきたんだからと言っていた」「でもはっきり言っていた、年金は渡していませんと」
いま、食堂の社長は連絡がつきません。食堂で何が起きていたのか、1か月後に始まる裁判で明らかになります。
(2008年2月13日(水)「どさんこワイド180」) |