2008年2月13日(水)
○ 精神鑑定 口頭で報告
精神鑑定につき、鑑定書を簡略化し、鑑定医が概要を報告する方法で採用されたそうです。
裁判員裁判をにらんで、難解な書面によるのではなく、わかりやすい口頭説明により、法廷でスッキリ理解してもらおう、という試みのようです。
この事件では、責任能力が争点になっているようですが、私見では、死刑が求刑されるような事件、動機に難解な面がある殺人事件等では、責任能力が争点となるならないにかかわらず、全件精神鑑定(情状鑑定のようなものか)を実施し、事案の解明と、更生の可能性判断の資料とすべきと思います。
その際、鑑定による裁判の長期化や、鑑定書の難解さがネックでしたが、一定程度解消される試みが期待されます。
被告の精神鑑定結果、口頭で 渋谷・夫殺害 来月報告
2008年02月13日11時44分
東京・渋谷で夫を殺害し、遺体を切断したとして殺人などの罪に問われた三橋歌織被告(33)の公判で、被告の精神鑑定の鑑定書を大幅に簡略化し、検察・弁護側双方の鑑定医2人が口頭で結果を報告する方法を採用することが12日、決まった。来春に始まる裁判員制度では鑑定結果を市民に理解してもらう仕組みが課題で、それを実際の法廷で先取りする工夫となる。報告は3月10日の予定だという。
公判は昨年12月に東京地裁(河本雅也裁判長)で始まった。弁護側は犯行時は心神喪失か、心神耗弱だった疑いがあると訴えている。
この裁判では裁判員制度を意識し、まず、検察側、弁護側が公判前整理手続きでそれぞれ請求した精神科医を初公判でともに鑑定人として採用。裁判迅速化のため、最初から同時に2人採用したのは異例だという。
2人の鑑定医は、公判と並行して三橋被告と面談し、鑑定を進めてきた。7日と12日の被告人質問でも法廷に同席し三橋被告への質問も許可された。
これまでは1人を採用して結果を待ち、必要な場合にはもう1人採用する形式だった。このやり方では審理が中断するうえ、鑑定期間も数カ月にわたり、審理が長期化する原因になってきた。
また、従来の鑑定書は数十ページに及び、難解な専門用語が並ぶため、裁判官にも理解しづらいと指摘があった。裁判員制度では市民の負担を軽くするため、今回の工夫のように口頭による報告で理解できるような内容を目指すとみられる。用語をわかりやすくする作業も今後、進められる見通しだ。