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外食産業のM&A、買い手の主役は加ト吉やゼンショー

【会社・業界の基礎知識】
 異業種からの新規参入やM&A(企業の合併・買収)などで日々移り変わりが激しいのが外食産業だ。25兆円の巨大市場ながら売上高が1000億円を超す大企業は、持ち株会社に移行した、すかいらーくHDや日本マクドナルドHDなどごく少数。“群雄割拠”が背景にある。(2004.11.11掲載)

 ここでも主役はダイエーと西武(西武百貨店を中心としたかつてのセゾングループ)。産業再生機構入りしたダイエーはすでに「ビッグボーイジャパン」などを売却、グループに残る「フォルクス」や「神戸らんぷ亭」の今後が注目される。
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 セゾングループは旧レストラン西武として「吉野家」の経営再建に成功しているが、その後、英国コンパス・グループ傘下の外資系企業として給食事業に集中。ファミレス「CASA」などは売却して、吉野家D&Cの株も手放した。
 一方で、買い手の主役は冷凍食品の加ト吉や牛丼「すき家」を展開するゼンショーなど。加ト吉はダイエーから英国パブの「ハブ」を買収しているほか、居酒屋の村さ来本社も傘下に収め、ゼンショーはダイエー、セゾン両グループから事業を受け継いだ。
 そのほか、居酒屋の大庄と栄太郎が合併。居酒屋チェーンのコロワイドは同業の「贔屓屋」を子会社化。「北の家族」はホテル事業などを手がける名古屋のセラヴィリゾートの手で再生された。
 「牛角」のレインズインターナショナルは、外食ではないが高級スーパーの成城石井、am/pmジャパンも手に入れた。「ミスタードーナツ」を展開するダスキンの筆頭株主になったのは三井物産である。
 米国産牛肉の輸入ストップで業績に陰りが見える吉野家だが「ダンキンドーナツ」を展開していたディー・アンド・シーと合併後は、持ち帰り寿司の「京樽」の支援に乗り出し子会社化、讃岐うどんの「はなまる」にも資本参加している。
 業界再編とともに目立つのが、店舗形態の変化。これまでは各社とも同一ブランドの多店舗を競ってきたが、現在は少店舗・複数ブランド化が大きな流れ。多看板化、チェーン隠しであり、1社で50以上の店舗名を持つ会社も出現しているほど。毎日違う店を利用していると思ったら、同一グループの店だった、ということもあり得る!

投稿日: 2004年11月19日

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