三菱重工業は風力発電機の供給能力を2011年に現行から約7割増やし、大型機約800台に当たる年2000メガワットとする。主要部品の「大型翼」を米国の強化繊維プラスチック大手のTPIコンポジッツ社に生産委託、TPIがカナダに建設する新工場から年約1000枚を調達する。温暖化問題を背景に風力発電機の需要が世界で急増しており、同社は11年に4000億円の売り上げを狙う。
三菱重工とTPIは現在、米国テキサス州と隣接するメキシコのチワワ州で大型翼を合弁生産している。米国での風力発電機の需要が急拡大し、生産能力がほぼ限界に達したうえ、大型翼は全長が45メートルあり長距離輸送が難しい。このためTPIのカナダ新工場を活用して、カナダ国内のほか、米国北部への供給能力を高める。TPIの新工場はカナダ中部のマニトバ州南部に10年末までに建設する。投資額は数十億円程度の見込み。(07:00)