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診療報酬改定で医師不足対策千五百億円 増える入院負担

2008年02月13日14時26分

 治療や薬の公定価格である08年度の診療報酬改定の内容が13日、決まった。医師の技術料にあたる「本体部分」の引き上げと開業医向けの一部報酬の削減で計1500億円を確保し、産科や小児科医、病院の勤務医不足対策に振り向ける。医療機関の間での「たらい回し」が問題になっている妊産婦の救急搬送受け入れなどの充実を目指しているが、患者にとって入院時の自己負担が増えるケースも出そうだ。

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医療の値段、4月からこう変わる

 中央社会保険医療協議会(中医協)が舛添厚生労働相に答申、4月から実施する。

 産科の主な支援策としては、救急搬送された妊産婦を受け入れた病院に入院料5万円を加算する。患者受け入れに積極的な病院を増やすのが狙いだ。70歳未満の患者の自己負担は原則3割なので、窓口で支払う額は1万5000円増える。

 小児科の報酬でも、高度の治療を行う子ども専門病院の入院料を1日あたり9000円増やす。

 産科・小児科以外でも勤務医の報酬を手厚くするため、手術料を平均3割引き上げる。外来診察の比率を減らしたり、医師の事務を補助する職員を雇ったりして、医師の負担を軽減した病院への入院料も上乗せする。

 夜間・早朝、休日の救急患者の診療を開業医に分担してもらうため、新たな加算制度も創設。こうした診療時の開業医の初・再診料は500円上乗せされる。これに伴い、患者負担も150円増える。

 勤務医(200床未満の中小病院)の再診料を30円引き上げて600円とし、開業医との格差を縮めた。

 総じて患者には負担増になる改定項目が多いが、薬価の引き下げや価格の安い後発医薬品(ジェネリック)の使用促進により、薬局で支払う金額は少なくなる。

 後期高齢者医療制度が4月に始まるのに伴い、お年寄りの慢性疾患を総合的、継続的に診る外来の主治医への報酬(月6000円)を新設。1カ月に行う検査や治療費は、この中にすべて含まれる「包括払い」とする。患者は再診料や薬代などを除き、1カ月に何回受診しても負担は変わらない。

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