大阪府の橋下徹知事(38)の“NHK批判”などの発言に対し、府民から抗議を含む意見メールや電話が殺到していることが12日、分かった。6日に橋下氏が知事に就任して以来、1日でそれまでの1カ月分ほどの量が送られているという異常事態。受付部署はすでにパンク寸前で、府庁は早くも炎上状態となっており、新知事への注目度の高さがあらためて浮き彫りになった。
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大阪府によると、橋下知事就任後、電話やメールなどが急増。とりわけ9日には番組出演の際の対応についてNHKを厳しく批判するなど、持ち前の鋭い舌ぽうを披露したこともあり、1日に100件以上、時には200件を超えるメールや電話が寄せられているという。
大阪府のホームページでは、「知事への提言」というコーナーから、府庁へメールを送ることができる。これに対応する、制作企画部広報室府民情報課広聴相談グループの金澤乾一課長補佐は「太田知事のころから比べると、だいたい1日でかつての1カ月分ぐらい来まして…、まあ、難儀してます」と話した。
意見の内容は、「知事として大人げないのではないか」というものから「NHKに対してよく言ってくれた」というものまで…。
「批判の方が若干多いかという感じです」と金澤氏。やはり“橋下知事=問題発言”というイメージは、世間に根強いことをうかがわせた。
現在、こうした府民の意見に対応する部署に対応する職員はわずか4人。あまりの意見の多さに、昼食をとるヒマもないという。
金澤氏は「正直ここまでとは…。これから予算の関係などもあって、さらに増えるんじゃないですか。そうなると部署としてパンクしてしまうかも」と嘆く。
もし、同グループが人員増ということになれば、財政のスリム化を訴える橋下知事には、強烈な自身の舌ぽうが、“コスト増”につながるという皮肉な事態になりかねない。