シドニー(CNN) オーストラリア政府は13日、白人との間に生まれた子どもを親元から強制的に引き離す政策が「虐待」であり、「深い悲しみ」を与えたとして、先住民アボリジニに正式に謝罪した。
昨年11月の総選挙で勝利した労働党のラッド首相は国会で、アボリジニや、1970年まで60年間続いた政策の対象となったいわゆる「盗まれた世代」に対する謝罪文を読み上げた。
親元から隔離された子どもたちは、家族や文化の喪失による心の問題を抱え、教育も十分に受けられず、過酷な生活を強いられてきた。ラッド首相は今回の謝罪が、子どもたちの肉親探しやアボリジニの生活改善に取り組む新たなアプローチの始まりだとしている。
隔離政策は10年前までほぼ秘密にされていたが、政府調査と映画が契機で広く知られるようになり、公式謝罪を求める運動が大勢の非先住民の支持を得て拡大した。