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南大門火災:容疑者、元妻に「すごいことをやる」と宣言

 崇礼門(南大門)に放火した疑いが持たれているチェ・ジョンギ容疑者(69)は2006年にも史跡第123号に指定されている昌慶宮(ソウル市鍾路区)の門庭に火を付け、警察に逮捕されていた。当時、チェ容疑者を逮捕し取り調べた警察関係者や弁護を引き受けた弁護士は、チェ容疑者のことを「普通の高齢者」と記憶している。

 このとき、ソウル市恵化警察署でチェ容疑者を取り調べた警察担当者は「外見からはあんなことをする人物には見えなかった」と話す。チェ容疑者は背が高く、年齢より若く見え、「普通の人」という印象だったそうだ。警察担当者によると、チェ容疑者は放火現場で逮捕されたとき、ひどく抵抗し犯行を否認したが、数時間後に容疑を認めると落ち着きを取り戻したという。

 当初、「昌慶宮に火を付けていないのに、近くにいたため“ぬれぎぬ”を着せられた」と供述したチェ容疑者の手紙の内容について、警察は「捜査過程に問題はなかった」としている。当時39歳だった観光客が火災現場でチェ容疑者を見たと証言。現場に残っていたブタンガスボンベの製造番号を追跡し、京畿道高陽市内の大型スーパーに設置されていた防犯カメラの映像を調べたところ、ガスボンベを購入するチェ容疑者の横顔と後ろ姿が写っていた。警察は「チェ容疑者の元妻も、夫逮捕の知らせに“やると思っていた”といった様子だった」と話す。チェ容疑者は朝、家を出るとき、離婚した後も同居していた69歳の妻に「今日、おれはすごいことをやってやる」と話していたという。

 チェ容疑者の弁護を引き受けた42歳の弁護士も、「捜査や弁護に大きな問題はなかった。息子や婿たちも警察が押収した防犯カメラの映像を見て、“90%の確率で父”と証言、罪を認めるようチェ容疑者を説得した」と話す。この弁護士によると、チェ容疑者はおとなしい性格で、重大な犯罪を起こすような人物には見えなかったそうだ。そして、「今朝の新聞でチェ容疑者が逮捕されたという記事を読んだが、あの人がまた同じことをするとは思いもしなかった」と語った。

 当時、チェ容疑者を起訴したソウル中央地検の検事(39)は、チェ容疑者のことをほとんど覚えていなかった。検事は「あの事件を担当したことだけは覚えているが、チェ容疑者については思い出せない。強烈な印象を残すほど法廷で容疑を強く否定することがなかったからではないだろうか」と語った。

キム・ジンミョン記者

【ニュース特集】ソウルのシンボル・南大門焼失

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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