【フェニックス(米アリゾナ州)=臼田雄一】米映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏は12日、就任を要請されていた北京五輪開閉会式の文化芸術顧問を辞退する声明を発表した。
スピルバーグ氏は声明で「私の良心がこの仕事を行うことを許さなかった。私の時間とエネルギーは、五輪のためでなく、(スーダン)ダルフール地方で続く、筆舌に尽くしがたい人権侵害を終わらせるために、費やされるべき」などと辞退理由を説明している。
スピルバーグ氏は昨年4月、胡錦濤国家主席宛に、公開書簡を送り、スーダン・ダルフール紛争を早急に解決するよう、要請。7月には、対応が改善されないとして、同顧問辞退を示唆した。その後は、北京五輪組織委と交渉が途絶えていたが、北京五輪組織委の幹部は読売新聞に対し、「同氏とは、開閉会式演出案の知的財産権を巡って、そもそも合意できていなかった」と話していた。
ロイター通信によると、中国はスーダンへの最大の武器輸出国。
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