ニュース: 生活 RSS feed
産科医不足に滋賀県が妙案 県が地域に“派遣医師” (1/3ページ)
産科医不足のため全国各地の病院で分娩(ぶんべん)受け入れ中止が相次ぐなか、滋賀県は、県職員として新たに採用した産婦人科医を地域の病院に派遣する事業を4月からスタートさせる。労働者派遣法施行令が昨年12月に改正され、医療機関が別の病院への医師派遣ができるようになったため「派遣事業」が可能になった。滋賀県は女性人口に対する産婦人科医数が全国でもっとも少ないが、この全国初の試みで「子供を産みにくい県」脱却をめざす。
医師派遣事業は「琵琶湖マザーホスピタル」と名付けた。具体的には、県が新たに県立成人病センターに、京大病院勤務の男性のベテラン産婦人科医2人を採用。この2人を、今夏以降それぞれ週1日、産婦人科医の不足で出産への対応が難しくなっている県東部地域の中核医療施設の彦根市立病院に派遣する。
同病院は平成18年3月、3人の産婦人科医のうち2人が退職し、分娩の受け入れを休止。今月、低リスクの分娩を助産師が受け持つ「院内助産所」を開設し対応しているが、医師派遣が始まれば、リスクの高い分娩も含め受け入れられる幅が広がるという。