3793ドリコムってやばくね?
テーマ:企業分析9日新規上場した3793ドリコム。
現在315万買い気配で値つかず、時価総額620億って…。買いを入れている人達は何を考えているんだろうか?
ところで、この会社上場前からうさんくさいといううわさが結構あったので気になって調べてみました。私の個人的見解と前置きをして、結論はかなりうさんくさいと言わざるを得ません。
注目すべきは目論見書110ページから。この会社過去4回の第三者割当を行っています。1回目(注:以下(1)と表記します、この後の増資分も同様に(2)~(4)と表記します)は平成15年10月21日に90株を額面50,000円で発行していますが、この90株というのは分割前の株数ですので修正が必要です。この会社は平成16年7月30日に8分割、平成17年6月27日に4分割していますので、現在の株数に直すと90×8×4=2,880株になっています。したがってこのときの発行価格は現在の株数だと50,000÷32=1,562.5円です。
以下同様に
平成16年11月5日の(2)は、736×4=2,944株を、1株6,250÷4=1,562.5円で増資。
平成17年2月28日の(3)は、135×4=540株を、1株6,250÷4=1,562.5円で増資。
この割当先は、(1)が社長が約半分と取締役、従業員で半分。(2)が社長が全額。(3)がGMOとサイバーエージェントとテレウェイブがそれぞれ3分の1ずつです。ちなみにこれら(1)~(4)の増資の際の発行価格はDCF方(ディスカウントキャッシュフロー方)で決めています。これは簡単に言うと将来生み出すであろうキャッシュフローを現在価値に割り引く方法で、企業価値評価方法としては最もポピュラーな方法です。つまりこの時点でのドリコムの企業価値は1株1,562.5円だということです。
問題は平成17年6月24日の(4)で、295×4=1,180株を、1株218,000÷4=54,500円で増資しています。なんと前回の増資からわずか半年足らずで発行価格が54,500÷1,562.5=34.88倍になっています。言い換えるとわずか半年の間に企業価値が34.88倍になってしまったということです。収益構造に劇的変化が無いにもかかわらず、前回の増資時と同じDCF方を使って企業価値判定をしたはずなのにこれはどういうことでしょうか?その計算式を見せてほしいものです。引き受け先はGMO、テレウェイブ、サイバーエージェント、サイバーエージェントの出資する投資事業組合。この3社はわずか半年前には1,562.5円だった株を34.88倍もの高値で増資を引き受けていることになり、通常ならこんな割りにあわない投資はするはずがありません。
そしてこの増資(4)からまたもやわずか半年後、つまり今ですね、同じDCF方で企業価値を判定したはずの1株が60~76万という仮条件がつけられました。仮に仮条件の下限60万としてもなんと60万÷54,500=11倍にもなってしまいました。実際の売り出し価格は上限の76万でしたから70万÷54500=12.84倍になります。これを約1年前の(3)の時と比べますと、34.88×12.84=447.86倍にもなっています。言い換えますと、約1年の間に企業価値が447.86倍になったと評価されてしまったということです。何か革命的ともいえる特許なりを取ったというならまだしも、目論見書のどこをどうみても企業価値が劇的に変わったという事情は見当たりません。おまけにこれといった含み資産もありませんし、何故こんなにも高値の評価になるのでしょうか?私にはまるで理解できません。さらに現在315万という株価がついています…計算するのも馬鹿らしいです。
また、目論見書29ページ。ドリコムの平成17年3月期の売り上げのうち、テレウェイブ向けの売り上げが27.4%、同様にGMO22.1%、サイバーエージェント12.3%と、増資を引き受けた3社向けの売り上げが約62%を占めています。これらの材料からは、34.88倍という高価格の増資を引き受ける見返りとして、この3社でドリコムの売り上げがあがっているように見せ、上場の体制を整え、ドリコムの評価額の異常な高価格を正当化させ、株価を吊り上げて売り抜けようという公算が見えてきてしかたありません。おそらくかなりの高確率でこの3社は1年後には大株主欄から消えていることでしょう。そうなったらもう株価吊り上げであったのは疑いようがありません。社長に至っては、1株1,562.5円で手に入れた株がいまや1株300万強ですから笑いが止まらないでしょうね。もっともこの高株価をつけているのはバカな投資家ですからどっちもどっちといえますが。規制を厳しくしたところで、さらにその規制の穴を狙う輩が現れます。闇金が減ったところで今度はオレオレ詐欺が出てくるようなものです。結局は投資家が賢くならなければインチキ上場はなくなりませんね。
ところで、この構造どこかでみたことあるような気がしていたら、何てことは無い、ライブドアと全く同じ手法でした。詳しくは会計士山根治氏のブログ「ホリエモンの錬金術-8 」をご覧ください。
PS:
今の状況を簡単いうと、元々1株2,000円くらいの株が300万円強で取引されているということです。もっといってしまえば2,000円を315円万出しても買いたいという連中がいっぱいいる状況です。恐ろしい…。マザーズは何故このような会社を上場させたのか、ライブドアでこりたかと思いきやどうやら全くこりていないようです。ちなみにライブドア(当時はエッジ)もドリコムも主幹事は大和SMBC。
PS2:
そりゃお祝いもしたくなりますよね~。1株平均38,071円で手に入れた株が今や315万円ですからね。ちなみにGMOの持分は580株ですから、今の儲けは(3,150,000-38,071)×580=約1,805百万円です。
■無題
すごいですね。
>1株2,000円くらいの株が300万円強で取引されている
ですか..。
ドリテクなんて可愛いもの??(というか可愛くなっちゃいましたよね...(TT)
万が一な事があったとして、名前が似ているからと、ドリテクが下がらない事を祈ります。
2005年から、とばっちり銘柄no.1ですから..。決算予想..どうなる事やら..。