試合から一夜明け、欧州柔道連盟主催の国際合宿に参加した井上康生=11日、パリ(共同)
柔道のフランス国際男子100キロ超級で5位に終わり、北京五輪出場が厳しくなった井上康生(29)=綜合警備保障=は試合から一夜明けた11日、パリでの欧州柔道連盟主催の国際合宿に参加し「気持ちの切り替えはあまりできていない。結論できていないことがいろいろある」と複雑な心境を口にした。
準決勝で世界王者のテディ・リネール(フランス)に屈し、3位決定戦も惨敗。これで昨年から5大会連続の敗戦で、対外国勢の印象もさらに悪くなった。練習で取り組む足技や崩しが試合では出せず、内まただけに頼った試合が続いており「力を出し切れない自分がいるのが悔しい。熱い気持ちはあるのに体が動かない」と話した。
五輪代表争いは棟田康幸(警視庁)と石井慧(国士舘大)にリードされ、日本男子の斉藤仁監督は「康生は2人の結果を待つことになる」と厳しく評した。棟田と石井が今後の欧州大会で勝てば、4月の全日本選抜体重別選手権と全日本選手権を前に、井上の五輪出場は絶望的となる。
今後は全日本選手権に向けて予選に出場する必要があるが、3月2日の関東予選には「照準は合わせているけど、ここ(フランス国際)にかけていた」と明言を避けた。井上は16日に帰国する。