いじめ自殺 痛み深く 息子失った母親講演

いじめをめぐる問題について講演する森さん
 学校現場で子どもたちの心のケアなどにも当たる県内の養護教諭らを集めた学習会が2日、仙台市太白区の茂庭荘であった。福岡県筑前町で2006年10月、同級生のいじめを苦に中学2年で自殺した森啓祐君=当時(13)=の母美加さん(37)が、「子どもの痛みに寄り添って―いじめに苦しむ子どもがいる限り」と題して講演した。

 森さんは葬儀のときも状況が理解できず、つらかったという当時を振り返り、「亡くして初めて、どれだけ子どもがいとおしいかに気付いた。遺書には強くなりたいと書いていたが、そのままでいいから生きていてほしかった」と残された家族の苦しい胸の内を明かした。

 いじめやいじめられた子どもに対する社会の受け止め方について、森さんは「いじめられる側にも問題がある」という見方を疑問視。「何らかの原因や理由があればいじめてもいいと、子どもたちは解釈してしまう」と述べた。

 周囲が取るべき対応としては「いじめてもいい理由などはないと、大人がはっきり言わなければいけない」と訴え、いじめをなくすには「いじめる側の子どもの気持ちも分かってあげることが必要」と呼び掛けた。

 学習会は宮教組と県高教組の養護教員部が企画し、市民を含め約50人が参加した。3日は分科会があり、絵を描きながら子どもの心を開く相談活動の紹介や、たばこの害を教える保健指導の実践報告などが行われる。一般の参加も受け入れる。
2008年02月02日土曜日

宮城

社会

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