■救急外来”乱用”やめて
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2008.02.13 |
気仙沼市立病院、医師の負担激増
83パーセントは一般外来で対応可/
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気仙沼市立病院(遠藤渉院長)で、急を要しないのに時間外に来院する「救急外来の”乱用”」が激増し、本来の救急診療への影響が懸念されている。病院は「医師やスタッフの負担が増し、このままでは救急外来の維持が困難になりかねない」として、適正な利用を訴えている。
病院によると、二〇〇六年度に救急外来で受診した人は約一万三千二百人(一日平均三十六人)。このうち救急車で搬送されたのは二千人(同五人)だった。
救急外来全体のうち、命にかかわる重篤な患者は約二百人(1・5パーセント)、命の危険はないまでも入院治療が必要な重症者は約二千人(15・2パーセント)で、それ以外の約一万一千人(83・3パーセント)は診察の結果、一般の外来で対応できる人だった。〇七年度も同じ傾向が続いているという。
病院では夜間や休日、医師一人と婦長一人のほか、救急看護師、事務職員らが当直に当たっている。救急外来のほか入院患者の急変などにも対応しなければならないが、「救急を必要としない外来受診者があまりに多く、医師は息をつく暇もない。それでも症状の程度に応じて順番に診察するが『待たせ過ぎだ』と怒鳴ったり暴力を振るったりする患者もいて、スタッフの肉体的、精神的疲労が増大している」(病院)としている。
時間外に来院する理由も、前から具合が悪かった、薬がなくなったなど安易に利用しているケースも目立ち、「昼間は込んでいるが夜間や早朝だとすぐ診てくれる」と、救急外来システムをちゃっかり”活用”する人もいるという。
病院は「本当に不安で来院する人も多いので、一概に断ることはしないが、まず病院に電話して看護師に状態を話してほしい。病院側にも医師や機器を手配する時間的な余裕が生まれる」と、事前の電話連絡を強く求めている。
ほかに救急外来受診の注意点として(1)本当に急を要するかどうか家族を含め冷静に考える(2)来院時は保険証や診察券を持参する−などを挙げている。子どもの場合、プッシュ回線は#8000、携帯電話やプッシュ回線以外は022(212)9390にかければアドバイスを受けられる。 |
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