児童・生徒を巻き込み繰り返される米兵の凶悪犯罪。1995年の少女暴行事件の記憶も消えぬまま再び起きた米兵女子中学生暴行事件に、教育関係者や保護者、女性団体などに衝撃が走った。「子どもを守るべき大人なのに…」。人権を踏みにじった米兵の蛮行に憤りが噴出した。基地があるために、安心・安全な暮らしが脅かされる状況はいつまで続くのか。批判の矛先は、米軍基地を過重に押し付ける政府、基地を容認する仲井真県政にも向けられた。「米軍基地を早く沖縄から撤去してほしい」。切実な声が各方面から上がった。事件現場付近の住民の間にも衝撃が広がった。
ハドナット容疑者が車を止めた現場は、閑静な住宅街。目の前には中学生や子どもたちがよく遊ぶ北谷町内の公園がある。「ショックを受けている」。犯行現場の近くに住む北谷町議の稲嶺盛仁さんは驚きを隠さない。「近くの安良波公園ではジョギングや散歩をする外国人が増えており、早朝など声が聞こえたりするが、まさかこんなことが起こるなんて」と怒りに声を震わせ「決して許せるものではない」と唇をかみしめた。
同町北前に住んで20年以上になるという70代の男性は「ここでこんなことが起こるなんて初めてだ。信じられない」と話したあと絶句。少女が発見された近くの公園をよく散歩しているという男性(73)は「こういう事件が起きると、(被害者と)同世代の孫のことが心配になる」と不安そう。基地周辺市町村で米軍絡みの事故が絶えないことに「まるで復帰前のようだ」と憤った。
ハドナット容疑者が女子生徒に声を掛けた沖縄市の繁華街は、週末に多くの若者や外国人でにぎわう。「ちょうどその時間ごろにその付近にいた。(わたしも)危なかったかもしれない」と、11日も同所を訪れた大田真奈美さん(20)=うるま市。宜野座村の女性(53)は「10日も来たが、若い人や外国人がたくさんいた。まさか自分がいた時間にそんなことが起こっていたとは」と、にぎわいの一方で起きた事件に言葉を失った。
(2/12 16:19)