長野県は12日、山ノ内町の旅館「天狗(てんぐ)の湯」(関金四郎社長)にスキー研修で訪れていた福岡県の高校生ら男女161人がノロウイルスによる食中毒を発症したと発表した。県が営業自粛を求めた後も旅館は愛知県の高校生を受け入れ、約90人の生徒が同様の症状を訴えていた。県は12日から4日間の営業停止とした。関社長は「当初の診断結果が風邪で、大丈夫だと思った。迷惑をかけて反省している」と話している。
県などによると、福岡県立三池高(大牟田市)の2年生ら280人が1月31日~2月4日に宿泊した。その後、男女161人が嘔吐(おうと)などの症状をみせ、一部の患者からノロウイルスが検出された。
県は4日、営業自粛を要請したが、旅館は5日、修学旅行の予約があった愛知県立愛知工業高(名古屋市)の2年生261人を受け入れた。同高によると、6日夕から生徒らに嘔吐などが始まり、約90人に食中毒のような症状が出た。同高は7日に日程を打ち切った。
県食品・生活衛生課は「ノロウイルスの危険性は講習会などで何度も説明している。状況を考えれば営業はしないはず」としている。【藤原章博】
毎日新聞 2008年2月12日 20時32分 (最終更新時間 2月12日 20時48分)