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米シャトルめぐりスパイ逮捕 中国に機密渡す目的 (1/2ページ)
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【ワシントン=山本秀也】米連邦捜査局(FBI)は11日、中国による米国の軍事機密スパイ事件を2件同時に摘発し、買収された国防総省の分析官1人を含む計4人を逮捕した。このうち、ボーイング社の中国系元技師が関与した事件では、同社が開発した超大型ロケット「デルタ4型」や、スペースシャトルなど米国の宇宙航空技術に関する情報も中国に引き渡されていた。
米国の軍事機密を狙った中国のスパイ活動は、米側の監視強化のなかでも新たな事件が後を絶たない「モグラたたき」の状態となっている。司法省当局者は、「外国スパイの深刻な脅威は冷戦後も去っていない」として、懸念を強めている。
宇宙航空技術を盗んでいたのは、カリフォルニア州ロサンゼルス在住のチュン・トンファン容疑者(72)。同容疑者は、勤務していた米国の技術会社がボーイング社に合併され、嘱託期間を含めて2006年まで同社の宇宙航空部門に勤めた。
司法省によると、チュン容疑者は、B1爆撃機、C17輸送機など軍用機に関するマニュアルや技術情報のほか、デルタ4ロケットなど高度な宇宙航空技術の情報を中国の宇宙航空部門などに渡していた疑い。中国側からの接触は、米中国交樹立直後の1979年ごろから始まっていた。