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南大門火災 拘束の男が「犯行自供」
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【ソウル=久保田るり子】韓国ソウルの中心部にある南大門(崇礼門)が10日未明に全焼、崩壊した火災で韓国の捜査当局は12日、放火の疑いで取り調べ中だった容疑者(69)の男が犯行を自供したと発表した。動機について男は、所有する土地絡みのトラブルの腹いせで放火したと供述しているという。
男は2006年4月にもソウル市の文化財、昌慶宮に放火した前科があり、南大門火災でも、火災発生前に目撃者らが現場で見た60代の男と人相や服装が似ていることから、捜査当局は有力な容疑者とみて11日夜から身柄を拘束。男の自宅から目撃者が証言したものと同じ種類のはしご、かばん、服に加え、シンナーのビン1本などが発見されたため、追及していた。これまでの調べでは、男は10日午後9時前に南大門の楼閣の2階部分に上り、シンナーをまいてライターで火を付けたと認めた。
火災は10日午後8時50分ごろ発生、一時は鎮火したにみえたが、楼閣の内部に火が回った。消防当局が文化財の破損を避けるため消火活動に手間取ったこともあり難航、約5時間後の11日未明に土台の石垣だけを残してほぼ焼け落ちた。
韓国の国宝第一号の 南大門は約600年前に建造され、ソウルに現存する最古の木造建造物で、「ソウルのシンボル」だった。火災は韓国で1年の始まりとなる旧正月の連休明けに発生。南大門は生中継で国民が見守るなかで崩壊しただけに、11日朝から現場には市民が続々と集まり、白い菊の花を焼け跡前に手向けるなど“南大門ショック”が続いている。