ニュース: 国際 RSS feed
露爆撃機、米空母挑発も 領空侵犯当日に
【ワシントン=山本秀也】ロシア空軍のツポレフ(TU)95爆撃機が9日、伊豆諸島南部の日本領空を侵犯した問題で、米国防当局者は11日、侵犯機と同型のロシア機が9日、西太平洋を日本に向けて航行していた米空母ニミッツ(9万148トン)の飛行甲板上空を、高度約600メートルの超低空で飛行する挑発行動を取っていたことを明らかにした。
ロシア機の接近を探知したニミッツから艦載機のFA18ホーネット4機が緊急発進するなど、一時は緊迫した。AP通信は、「こうしたロシア機の飛行は冷戦以後ではまれ」と伝えた。
米側によると、9日、日本周辺に飛来したTU95は計4機。うち領空侵犯機とみられる2機が日本沿岸を南下し、別の2機がニミッツに接近。同艦上空をかすめたのとは別の1機は、約90キロほどの距離で周囲を旋回していた。
当時ニミッツは、護衛のイージス巡洋艦プリンストンを随伴。同艦も防空戦闘の手順に従って警戒行動を取ったものとみられる。11日、ニミッツは米軍基地のある佐世保港へ、プリンストンは福岡港へそれぞれ入港した。
CNNテレビによると、米露間では、アラスカ近海の空域でロシア機の異常接近が、昨年7月から8回確認されている。同年9月には、アラスカ沿岸から約90キロにまで接近したロシアの爆撃機6機に対し、米空軍のF15戦闘機6機が緊急発進した。