中医協は2月8日の総会で、一般病棟入院基本料のうち13対1、15対1入院基本料を4月の診療報酬改定以降もそれぞれ現行のまま存続させることを正式に了承した。また10対1入院基本料については点数を引き上げるほか、新要件の導入に伴い7対1入院基本料から移行した場合に2年間の期限付きで看護補助加算の算定を認めることも決まった。一方、7対1入院基本料については点数自体は据え置くことが既に決まっており、一般病棟入院基本料のうち4月改定で点数が変わるのは10対1入院基本料だけになる見通しだ。
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一般病棟の13対1、15対1入院基本料の点数は現在、それぞれ1,092点、954点。8日の総会では、4月の改定でこれらの点数は変更しない一方、10対1入院基本料については点数を引き上げることが決まった。
一方、7対1入院基本料については看護必要度と医師配置要件を新たに導入し、算定はこれらの条件を満たす病院に限定させるものの、点数自体には手をつけないことが既に決まっている。これらに伴い、一般病棟入院基本料のうち点数そのものを変更するのは、10対1入院基本料の引き上げだけになった=図。
また、点数ごとの正看比率や平均在院日数などの要件は変更しない。
現在の診療報酬では、7対1入院基本料と10対1入院基本料の点数はそれぞれ1,555点と1,269点となっており、両者には286点の格差がある。厚労省によれば、今回の10対1入院基本料の引き上げは「大き過ぎる」(同省)点数の格差是正とともに、同入院基本料を算定する中小病院の救済を図る意味合いもある。
10対1入院基本料についてはこのほか、今年3月末時点で7対1入院基本料を算定していた病院が看護必要度要件などの導入に伴って4月以降に移行した場合に限り、看護補助加算の算定を2年間の期限付きで算定を認める方向も提案していた。
この点について同省は8日の総会で「10対1に必要な人数以上に病棟に看護師がいる場合、プラスアルファの看護師について看護補助者とみなして算定を認めるもの」と説明する一方、今回の見直しがあくまで2年間の経過措置であることも強調した。
支払側は当初、10対1入院基本料の見直しに「唐突すぎる」と反発していたが、10年度改定までにこれらの点について改めて検証することを条件に合意した。これにより、一連の見直しの方向は13日の総会に同省が提出する答申案にも盛り込まれる見通しだ。
更新:2008/02/12 15:15 キャリアブレイン
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