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“割りばし賠償”訴え退ける

東京・杉並区の杉野隼三ちゃん(当時4歳)は、平成11年に母親と訪れた盆踊りで綿菓子を食べていて転び、割りばしがのどに刺さりました。隼三ちゃんは杏林大学付属病院で手当てを受けましたが、帰宅したあと死亡し、両親が「割りばしが脳に達していたのを当直の医師が見落とし適切な処置をしなかったのが原因だ」と主張して、医師と病院に賠償を求めていました。判決で東京地方裁判所の加藤謙一裁判長は「隼三ちゃんの意識や体の状態などから判断すれば、割りばしが脳に達している可能性まで医師が考えなかったとしても落ち度があったとは言えない。死因や命を救えた可能性がどれくらいあったかについては専門家でも意見が分かれており、処置に問題があったとまでは言えない」と指摘し、両親の訴えを退けました。この事故をめぐっては担当の医師が業務上過失致死の罪で起訴され、刑事裁判の1審が「命を救えた可能性は低かった」として無罪を言い渡し、検察が控訴しています。判決について杏林大学付属病院の東原英二院長は「わたしたちの主張が認められてほっとしています。隼三ちゃんに対してはあらためて心からごめい福をお祈りします。今後も引き続き、地域の方々から信頼されるよう全力をあげて努力します」という談話を出しました。判決について、隼三ちゃんの父親の杉野正雄さんは「無罪だった刑事裁判でさえ医師が詳しい検査を怠ったと指摘したのに、今回はまったく認められず頭が真っ白になった。医師の処置がほんとうに適切だったのか控訴して明らかにしたい」と話していました。また母親の文栄さんは「仮に命を救えなかったとしても、隼三が死んだあとの病院の説明は納得できないと訴えたのに、判決は病院の姿勢について何の指摘もなく、ほんとうに残念です」と話していました。
もどる2月12日 18時11分
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