憲法を歩く 施行60年
第4部は「貧困と労働」の現場ルポ
【社会】医師の過失認めず請求棄却 4歳児死亡の割りばし事故2008年2月12日 16時54分 東京都杉並区で1999年、綿菓子の割りばしがのどに刺さった杉野隼三ちゃん=当時(4つ)=が、杏林大病院(東京都三鷹市)で受診後に死亡したのは不十分な診察が原因として、両親が担当医と病院を経営する杏林学園に計約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、担当医らの過失を認めず、請求を棄却した。 加藤謙一裁判長は「傷や意識状態、当時の医療水準などから考えれば、割りばしが頭の中まで刺さり、損傷を生じた可能性があると診断する注意義務は医師になかった」と判断した。 この事故では、診察した医師根本英樹被告(39)は業務上過失致死罪で在宅起訴されたが、東京地裁は2006年3月、「割りばしが頭に刺さっていると想定せず、十分な治療をしなかった」と過失を認定した上で「治療しても救命可能性は低かった」と、無罪の判決を言い渡した。現在、東京高裁で控訴審が続いている。 原告は都立高教諭の父正雄さん(56)と母文栄さん(50)。 判決によると、隼三ちゃんは99年7月10日、盆踊り大会で転倒した際、くわえていた綿菓子の割りばしがのどに刺さった。杏林大病院の救命救急センターで、耳鼻咽喉(いんこう)科の当直医だった根本被告から約5分間、傷口に薬を塗るなどの治療を受け帰宅したが、容体が悪化し、翌朝に死亡した。司法解剖の結果、頭蓋(ずがい)内に7・6センチの割りばしが見つかった。 (共同)
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