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【社会】

医師の過失認めず請求棄却 4歳児死亡割りばし事故

2008年2月12日 16時31分

 東京都杉並区で1999年、綿菓子の割りばしがのどに刺さった杉野隼三ちゃん=当時(4)=が、杏林大病院(東京都三鷹市)で受診後に死亡したのは不十分な診察が原因として、両親が担当医と病院を経営する杏林学園に計約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、担当医らの過失を認めず、請求を棄却した。

 加藤謙一裁判長は「傷や意識状態、当時の医療水準などから考えれば、割りばしが頭の中まで刺さり、損傷を生じた可能性があると診断する注意義務は医師になかった」と判断した。

 この事故では、診察した医師根本英樹被告(39)は業務上過失致死罪で在宅起訴されたが、東京地裁は2006年3月、「割りばしが頭に刺さっていると想定せず、十分な治療をしなかった」と過失を認定した上で「治療しても救命可能性は低かった」と、無罪の判決を言い渡した。現在、東京高裁で控訴審が続いている。

(共同)
 

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