最新記事一覧
前市長を小差で破る、移転容認派の福田氏が初当選/岩国市長選
前市長辞職に伴い、在日米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)からの米空母艦載機移転が最大の争点となった山口県岩国市長選は十日投票、即日開票の結果、無所属新人で移転賛成の前自民党衆院議員、福田良彦氏(37)が、小差で無所属で移転反対の前市長井原勝介氏(57)の再選を阻み、初当選を果たした。投票率は76・26%で前回を11・17ポイント上回った。
岩国市民は二〇〇六年三月の住民投票、同年四月の前回市長選で示した「移転反対」の意思を百八十度転換した形。岩国基地への艦載機移転は、懸案だった地元同意取り付けに前進する見通しとなったが、反対の井原氏との差はわずかで、福田氏は慎重なかじとりを迫られそうだ。
政府は在日米軍再編に弾みをつけたい考えで、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の同県名護市への移転計画にも影響を与えそうだ。
一方、福田氏は、艦載機受け入れに見合うだけの、具体的な地域活性化策取りまとめが当面の課題となる。
福田、井原両氏とも政党の正式な推薦や支持は求めなかったが、安全保障にかかわる国政上のテーマが争点となったため、与党が福田氏を、野党が井原氏を、それぞれ推す実質的な与野党対決の構図となった。
福田氏は「再編に協力する」立場で、米軍再編交付金による地域活性化を図ると強調。自民、公明両党の地方議員が着実に組織票を固め、無党派層も取り込んだ。
井原氏は「国の一方的な進め方から岩国を守る」と訴えたが及ばなかった。
福田氏辞職による衆院山口2区補欠選挙は四月に実施される。
松沢成文知事の話 岩国市長選の結果については、コメントは差し控えたい。厚木基地における米空母艦載機による騒音問題については、抜本的解決を長年望んできたところであり、在日米軍再編協議において日米両国政府が合意した、2014(平成26)年までの空母艦載機の移駐を、国の責任において着実に実施するよう求めたい。
星野勝司座間市長の話 防衛は国の専管事項と言われているが、常に基地と直面し、さまざまな問題を抱える環境のもとで、岩国市民として冷静かつ厳正な判断をなされた結果と受け止めております。キャンプ座間のことは、同様に私どもが直面する問題であり、国が示すと約束されたキャンプ座間の恒久化解消の方策を求める姿勢に何ら変わりはありません。
大木哲大和市長の話 市長は、その地域のさまざまな事情が考慮され選ばれるものだ。国には選挙結果にかからわず、厚木基地の負担軽減が着実に実現できるよう、引き続き最大限の努力を求めたい。
笠間城治郎綾瀬市長の話 岩国市民の思いを真摯に受け止め、厚木基地の空母艦載機の移駐が確実に進展されるよう、国に対して引き続き最大限の努力を期待する。
蒲谷亮一横須賀市長の話 選挙結果については岩国市民の厳粛な意思表示の結果であり、他都市の事であるのでこれ以上のコメントは差し控えたい。お互い基地を抱える自治体の長として、基地負担に対する国への要望など協力して活動していきたい。
このエントリーへのトラックバックURL:この記事はトラックバックを許可していません。
神奈川新聞コンテンツ
定期購読のお申し込み
ハローキティ・キャンペーン実施中
試読のお申し込みはこちらから
投稿したコメントの修正、削除をしたい場合は、こちらからお願いします。