ハンモックキャンピングが200倍よく分かる
200 Tips for Hammock Camping
ハンモックキャンピングのアドバンテージ
正しく張れば、地上のベッドより遙かに快適。
防虫網とレインフライを備えた完全なシェルター。
大型のハンモックを使えば、中で立つこともでき、王様のベッドを備えたシェルターになる。
寝苦しかったり、あちらこちらへ寝返りを打つことは少なくなる。
背中を水平に伸ばす事も、胎児の様な格好で寝る事もできる。
背中や腰の痛み、辛さを減らすことができる。
キャンプサイトを作るために地面に這いつくばる必要がない。
超軽量。
雨や嵐に対する十分な耐候性。
雨の中での設営、撤収が濡れずに行える。
天候に応じてレインフライを調節できる。
樹林帯ではキャンプサイトは無限。
テントやタープよりもずっと自由自在。
キャンプサイトを見つけるのにたいてい数分で済む。
岩や木の根っこだらけの地面でも関係なく眠れる。
イバラやサボテン、毒樫の上でも眠れる。
素早い設営と撤収。
ラウンジチェアとしても使える。
蛇を避ける事が出来る。
ナメクジや蜘蛛を避けることができる。
堅い地面、岩、木の根っこ等がある、典型的なタープやテントサイトを避けられる。
濡れた地面や不整な地面を避けて眠れる。
混みあったオーバーユースのキャンプ地を避けることができる。
稜線の下で風を避けてキャンプできる。
風雨がもろに当たる様なキャンプ場で泊まらなくて済む。
虫が居ないキャンプ地を選ぶことが出来る。
眺めの素晴らしい場所でキャンプする事もできる。
日の出や日の入りが見える場所でキャンプできる。
人から見えない場所にキャンプする事ができる。
通常のキャンプサイトに良くある様な小動物に食物を盗まれる心配が無い。
テントやタープを張るのに適さないローリスクな場所にキャンプする事で、熊が出没する地域を避けてキャンプできる。
地上のネズミを避けることができる。
自然ともっと調和した平和な感覚を得られる。
気温が下がったり、樹林が無い時に、地上にタープとして、あるいはビビィサックとして使用できる。
跡を残さない(Leave No Trace)ローインパクトなキャンプをするのに適している。
どんなキャンパーでも、自分の身長や体重に合わせたハンモックを選ぶことができる。
ハンモックのキャンプサイトを選ぶ
丘、稜線、崖などの風下の背後を選び、冷たい風を避けよう。
急峻なでこぼこした山腹にキャンプしよう。
テントやタープを張れない様な山頂にキャンプしてみよう。
絶壁の際にキャンプしてみよう。
崖の下、割れた大岩の中でさえキャンプが張れる。
森の中深くでキャンプしよう。
岩だらけ、藪だらけ、濡れて不整な地面の上でキャンプしよう。
泉や小川、湖の側でキャンプするのは避けよう。
キャンプを張る前に夕食を摂り、水場からずっと離れた場所にキャンプしよう。
風のある場所にキャンプすると虫を避けることができる。
湿って虫の多いテントサイトを避けて乾いた虫の居ない場所にキャンプしよう。
トレイルを外れ、見えない場所にキャンプしよう。
街に近い場所でも見られたり、邪魔されたりせずに済む場所にキャンプしてみよう。
一番近いテント場から何キロも離れた場所にキャンプしよう。
暗くなるまで夜更けまで歩こう。泊まろうと思ったらその時簡単にキャンプが張れる。
キャンプサイトが既にいっぱいで泊まれないんじゃないかと心配するのは止めよう。
天候が崩れだしたら、その時簡単に素早く設営できる。
夜露の多い場所は避けよう。たとえば寒い夜の開けた牧草地では、ハンモックも含めた地上の全ての物がひどく結露してしまう。
ハンモックの設営
頑丈な支持物、たとえば、岩や木等を選ぼう。
木は少なくとも直径10cmはあるものを選ぼう。
適切な樹間をとろう。大体6歩〜8歩くらいの距離だ。
ロープよりは、平たいナイロンテープ(ウェブ)を使って、樹へのダメージを防ごう。
ロープなら少なくとも4回は巻きつけて荷重を分散させて樹のダメージを避ける。
結び目を作るときは、小枝をはさむか、ループを作ってクイックリリースにして後で解きやすい様にしておこう。
5cm〜10cmはロープの端を余らせて結ぼう。
ハンモックを水平にする為にはメインロープを同じ高さに結ぶ事。
斜面では、ハンモックを水平にする為にはそれぞれ異なった高さにロープを結ぶ必要がある。
ハンモックに入る前に、目で見て水平かどうかを確かめる。必要なら結びなおすこと。
ヘネシーハンモックの場合、メインロープは水平に張り、それ以外のタイプでは少し垂れ下がるように張る。
快適になるまで結びなおして調節する手間を惜しまない様にしよう。
内部空間の広さを調節する為に、サイドロープのペグダウンする位置を調節しよう。
雨の中で設営する時は、先にレインフライを張ろう。
雨の中の撤収では、最後にレインフライを撤収する。
雨がサポートロープを伝って進入するのを防ぐ為に、木綿の紐か、ソックスかあるいはバンダナを結び付けて垂らす。
ラウンジチェアとして使うには、ハンモックを二つ折りにしてその上に座ってみよう(ヘネシーの場合)。
防虫網が取り外せるタイプのハンモックでは、軽量化の為に冬季は防虫網を取り外して家において行こう。
蚊や、他の虫が殆ど居ない場所では、防虫網を取り外すか、網の外で寝てみよう。自然との調和がより感じられるだろう。
メガネや腕時計、懐中電灯、バンダナ等の小物はサポートロープについているポケットに入れておこう。すぐに手が届く。
水筒、靴、本、ジャケットなどの大物は、レインフライの下に位置させよう。袋に入れてロープに吊るしても、中に持ち込んでもよい。
ザックはレインフライの下、メインロープに吊るして地面に触れない様にしておこう。
ヤマアラシが居る場所では靴やブーツはハンモックから吊るし、何も地面に置かないようにしよう。
濡れて汚れた服はハンモックかレインフライのロープに吊るしておこう。
ハンモックとレインフライの結び目はロープ同士4回は巻きつけた後に作る。そしてレインフライはハンモックの中心と合わせる。
風が強い時や嵐の場合は、すべてのガイラインがきつく張ってあることを確かめ、レインフライのペグダウンはバックパアップの為にペグをもう一本余計に使うと良い。
ハンモックの中で暖かく寝る
稜線の下か丘や崖の裏側に泊まり、風を避ける。
レイヤリング(重ね着)をする。
キルト(布団上のもの)とパッドを組み合わせても良い。
暑い時は寝袋でもジッパーを開けて布団の様にかけると良い。
毛布の代わりにフリースを上に掛けるのも良い。
体からの放射熱を反射する為には明るい色の布を使うと良い。
風を通す素材のハンモックでは底に防風か防水の布か服を敷くと良い。
55cm以上の幅のスリーピングパッドを使うこと。
クローズドセル・フォームのパッドを使うこと(6mm〜16mmの厚さのパッドを使うと良い)。
インフレータブルマットかダウン入りエアマットを使っても良い(2.5cm〜7.6cm厚の物)。
身体からの放射熱によるロスを防ぐにはミラーコートされたもの(スペースブランケット等)を使えば97%の熱損失を防げる。しかし結露には注意。
アルミ箔でカバーされたバブルラップのスリープパッドを使っても良い(ウィンドシールドサンスクリーンやリフレクティックスをカー用品店で
購入して適当なサイズにカットする)。
極端に幅広で厚いスリーピングパッドを使うと、折れたりたわんで、不快な隆起ができ易いので避けること。
スリーピングバッグ下部は体重で圧縮されて保温性が無いのでスリーピングパッドの類を使用すること。
全てのパッドにおいて、過度の結露に注意すること。
4.4℃以下に気温が落ち込んだら2.5cm厚のスリーピングパッドに変える事。
身体の下で滑ってしまうようなパッドは避けて、安価な滑らないフォームパッドを使用すること。
スリーピングバッグの中で着れる物は全部着る。ただし、透湿性の無い衣服には注意する事。
ベイパーバリアかライナーをスリーピングバッグの中に使用しても良い。
ハンモックと寝袋の間にスペースブランケット等のミラー処理されたものを敷くのも良い(ただし、過度の結露には注意)。
酸欠になるので顔の上にベイパーバリアは被せないこと。
スリーピングバッグの中でレインスーツかウィンドブロックスーツを着ると、ベイパーバリアーと似たような働きをする。
ベイパーバリアー(防水透湿性の衣服を含む)をスリーピングバッグの上に用いると、身体からの蒸気をトラップして結露してしまうので、避けること。
良質なスリーピングバッグはたいていDWR (撥水)処理をしてある。
ベイパーバリアの内側に衣服を着てはならない。翌朝濡れてしまっているだろうから。
もし、ベイパーバリアを使用するなら翌朝の為に乾いた下着を用意しておくこと。
息はスリーピングバッグの外に逃がすこと。スリーピングバッグ内部に息を吐かないように。
毎晩身体から発する湿気でスリーピングバッグは湿ってゆくので、可能な限り毎日スリーピングバッグを乾かす様にする。
燃焼して身体を暖めるカロリーを摂取するため、栄養のある消化の良い食物を摂ること。
眠る直前に何か食べるのも良い。ただし睡眠を奪う砂糖やカフェインはなるべく避けること。
身体を暖めるためのカロリーを摂取する目的で夜間スナックを食べるのも良い。
脱水を避けるため、日中も夜間も十分に水分を補給すること。
自分の持ってきた装備では十分な暖かさを維持できないときは、地面の上に寝る事を試してみること。気温が上昇したら、
すぐにハンモックの中に戻って快適な睡眠を確保しなさい。
ハンモックを購入する
安全と快適さ、適切な身体の支持や荷重分散の為に丈夫な布を使用している物を選ぶこと。
バグネット(防虫網)とレインフライのある物を選ぶこと。
ウィルダネスで使用するなら便利で頼れるひときわ大きなレインフライを持ったモデルを選びなさい。
地上にシェルターとして張る時の事も考えて、嵐から身を守るのに十分な大きさのレインフライを持ったモデルが良い。
ミリタリータイプのジャングルハンモックは長期の使用に必要な快適さを欠いている事が多い。
網でできたタイプのハンモックは長期使用の快適さを欠いている。
スプレッダーバーを使っているタイプのハンモックは、反転して転落しやすいので避けた方が良い。
ハンモックから落ちそうな感じのするタイプの物は避ける事。
ハンモック、バグネット、レインフライ込みの重量を良く検討する事。重いものは長距離のハイキングに適さない。
雑誌、乃至インターネット上のレビューを良く読む事。
レインフライが附属しているタイプの物でも、ガイドラインが無かったり、防水の為に更に処理が必要な物もある。
ハンモックの快適さは、一般的には長さに依存している。長ければ長いほど快適である。従って短いタイプのハンモックは避けること。
ベストな快適さを求めるなら、自分の身長よりも少なくとも60cmは長いハンモックを選ぶこと(ストレッチタイプはこの限りではない。)
安全の為に自分の体重に適したハンモックを選ぶこと。
シリアスなウィルダネスでの使用を考えるなら、タープやビビィサックとしても使用できるハンモックを選ぶ事。
暖かさを増す為にスリーピングバッグをハンモックの周りに巻き付けて(ハンモックの下も覆う)使う事も考えると、バグネットを取り外せるタイプ
の物を考えても良い。
ラウンジチェアとして使う事を考えるとバグネットが取り外せるタイプも便利(ヘネシーはバグネット一体型だがラウンジチェアとして使用可能)。
虫の居ないシーズンに軽量化の為にバグネットを取り外して持って行く事も考えられる(ヘネシーはバグネット込みでも十分軽量だが)
素晴らしい眺めを得るために、必要無い時はレインフライを取り外せる物の方が良い。
内部にポケットがあったり、ボトムにポケットがあったり、スリーピングパッド固定装置が付いていたり、
防風シェルやジッパーが付いている物もあるが、実際の使用に必要かどうかを良く吟味した方が良い。.
使用目的によって、それぞれ必要な機能が違う。例えばオートキャンピングや裏庭で使用する人にとっては、ウィルダネスで使用する人の様に、
軽量さや嵐に対するプロテクションはそれほど必要がない。
子供達にハンモックを選ぶなら、安全の為に特別丈夫な素材が必要だろう。
安全の為、して良い事と悪いこと
ハンモックの中では立ち上がらない事。
スプレッダーバーは反転しやすいので気を付けること。
ハンモックの素材がほつれると危険なので注意。
初期不良のチェックをする為、実際の使用前にハンモックを設営して詳しく調べる事。
損傷のあるハンモックは返品するかきちんと修理すること。
夜中に驚かずに済むために、結び目を繰り返しチェックする事。
折れる可能性のある死んだ樹木や支持物は避ける事。
落ちる可能性のある枯れた枝が頭上にある場所は避けること。
頭上に雪の積もった枝がある場所を避けること。
安全にハンモックに出入りする為に腰の高さくらいにハンモックをセットするのが良い。
バランスを失わずにハンモックに出入りできるように練習すること(ヘネシーの場合、練習は必要ない)。
出入りするときにバランスを取るには、ハンモックの両端を両手でそれぞれ掴む事(ヘネシーの場合必要ない)。
素材がナイロンかポリプロピレンの場合、紫外線による劣化を防ぐために可能な限り直射日光は避ける(HHウルトラライトの素材は日光に強い)。
レインフライのガイラインの周辺を歩き回るのは避けた方が良い。
ハンモックのサポートロープを結んだ場所の辺りを歩き回ると引っかけやすい。
ハンモックがもつれないように。
一人用ハンモックに二人で乗らない方が良い。
表示されている耐荷重を超えないように。
ハンモックの中で体をスイングさせない方が良い。
ハンモックの中では急に激しい動きをしない方が良い。
ハンモックの生地に穴を開けたり、裂いたり、破らない様に。
ハンモックをパンクさせる可能性のある小物。腕時計、ベルトのバックル、ブーツ、靴、眼鏡、イヤホン、ポータブルラジオ、スリーピングバッグや
衣服のジッパー、ペン、懐中電灯等々。
撤収する時に、岩やイバラ、藪でハンモックの生地を擦らない様に。
直火は避けること。ハンモックの素材は引火性がある。
ハンモックの中で煙草を吸わない事。
子供がハンモックを使うのは監視下でやらせるか、いっそ使用を制限する事。
乳幼児をハンモックに置き去りにして目を離してはいけない。
身体的なハンディキャップがある人にはハンモックは難しいだろう。
トレイルから離れた場所にハンモックを設営したら、人の助けを呼ぶ必要のある時には、ホイッスルを使うと良い。
有毒性植物(毒蔓、うるし、等を含む)に触れるな。枯れたものでさえ被害を被る事があり得る。
落雷や強風、洪水に遭う可能性のあるハイリスクな場所は避ける事。
著者について
エド・スピア(Ed Speer)はアウトドア界に長い間携わってきた。ノースカロライナの山中で育ったが、彼の冒険欲はとどまることを知らなかった。彼の両親は熱心なキャンパーで彼を何回もアウトドアトリップに連れ出した。まもなく彼はアウトドアトリップを自分で計画して行い、自然の中でより多くの時間を過ごすようになった。大学生になる頃にはアメリカ中をバックパッキングしたり、カヌーやロッククライミング、ケイビングする様になっていた。
やがてエドはアウトドアへの愛を地質探検学者の職業へ捧げ、彼のアウトドアで過ごす時間をますます長くした。ミズーリ大学とアリゾナ大学の学位を取るのに、アメリカ西部と南部の地域、カナダや南アメリカ、およびアフリカの一部が割り当てられた。エドは金鉱とダイアモンド鉱の探索へフォーカスし、成功していった。
必要な技術を獲得するのに要した数年の後、より広大な冒険へと情熱が傾けられた。アラスカ、カナダ西沿岸の2500km以上にわたる単独カヌートリップや、アパラチアントレイルを端から端まで2回スルーハイクを行い、他も合わせて8000kmにも及ぶ歩行による旅を行った。エドのトレイルネーム"Not
To Worry" は彼の自然に対する哲学をまさしく反映している。
エドは自然の中でより多くの時間を過ごす為に、現在は地質学の仕事をリタイアし、著作業に専念している。