ハンモックキャンピングのススメ by アーネスト・B・エングマンErnest B. Engman
SGT Rock's Hiking H.Q. -
Hammock Camping 101
ここ最近の数年間で
2000年になって、バックパッキングの為にテントよりも軽いシェルターを探していた。その頃はタープや軽量なテントの類を念頭に置いていた。その頃フォートポークに駐在していて、フィールドでは網状ハンモックにポンチョを組み合わせてシェルターとして使っていたものだ。それなりに満足してはいたが、フォートポークの様な地域ではヤブ蚊の類に悩まされると言う問題があった。
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ある日、インターネットサーフィンをしていて、The Lightweight Backpackerと言うサイトで、クラークジャングルハンモック・ウルトラライト(Clark Jungle
Hammock Ultralight)(左の写真)のレビューを見つけ、真剣にそれの購入を考えた。更に調べて行く内に、ヘネシーハンモックHennessy Hammockを見つけ、良く比較した結果、ヘネシーハンモックを購入する事に決めたのだった。主な理由は値段と重量だった。その頃から3つのヘネシーハンモックを手に入れる事になり、他の種類の手に入れられる限りのハンモックを試してテストして来たのだった。
今やハンモックのメーカーは至る所にあり、ここに記したのはメーカーの一部のリストにすぎない。
※写真はクリックすると拡大します。
Hennessy Hammocks* |
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Speer Hammocks |
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Lawson Hammocks |
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Crazy Creek* |
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Terrelogic |
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Laid Back Designs |
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Brigade Quartermasters* |
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Brigade Quartermasters* |
* 印は
試した事の無い人にとっては、ハンモックでキャンプする理由が良く分からない様だ。良く聞かれるのは、仰向けで寝られない人、つまり横向き(側臥位)でないと寝られない人はどうなるのか?とか、ハンモックがカーブしているので、背中を痛めるのでは無いか?と言う質問だ。はたまた、ハンモックを吊すロープで木を傷めるのでは無いかと言う心配も良く聞く。こうした疑問はもっともだが、これは単にハンモックに関して知識が無い故の物だ。それは、熊に食べられてしまうんじゃないかと毎日怖れている家族連れのキャンパーに似ている。
最初に言っておかねばならないが、正しく吊されたハンモックでは、仰向けだろうが横向きだろうが自由な格好で寝られるし、背中やサイドが曲がってしまうような事は無い。 クラークジャングルハンモックを除いて、
仮に横向きに寝たとしても、すぐに違う姿勢で寝たくなるだろう。ハンモックで数日泊まると、そのナチュラルで緩やかなカーブがすっかり気に入ってしまうだろう。疲れて凝りまくった背中の筋肉はそのカーブの中で眠るとすっかりほぐれてしまうので、ハンモックに慣れると、もう手放せなくなるだろう。良く経験するのだが、例え長いブランクがあっても、フィールドに出てハンモックに慣れるのは比較的簡単だが、むしろハンモックで数週間過ごした後に家に戻って、平らなベッドに慣れる方は難しい。ハンモックで寝るもう一つの利点は、足がやや高い位置に来る為に、一日歩いた後の足の浮腫みや疲れが良く取れると言う事だ。
率直に言って、この贅沢な素晴らしい快適さがテントからハンモックに代えた一番の理由で、その快適さはいくら強調しても強調しすぎることは無い。セルフインフレーティングパッドを含む全てのスリーピングパッドに勝る快適さなのだ。背中が楽で、体がリラックスできて足の疲れが取れると言う事を別にしても、ハンモックの優しい揺れが、子守歌の様に眠りへ誘うその快適さは素晴らしい!地上に寝るときのように、なんだか分からない瘤や出っ張りを、木の根っこかな、それとも岩かな、、等と考えずに済む。テントで良くあるように、うまく水平に寝られずに体が滑り落ちると言う事も無い。
木に対するダメージに関しては、実際は、ハンモックはもっともローインパクトなハイキングシステムだと言える。地面をならしたり、踏み固めたりする必要が無い。又、ヘネシーハンモックに標準で付いてくる、ツリーハガーの様な平らなストラップ(ナイロンテープ)を用いることで樹皮に対するダメージも避けることができる。あるいは、木に複数回ロープをずらして巻き付けて荷重を分散させる事で樹木に跡が残る様な事態も避けられる。
実は、ハンモックで一番の問題は、暖かく過ごす事なのだ。この問題については、別に詳述する。
快適さとローインパクトと言う事を除いてもハンモックの利点はまだある。
ハンモックでキャンプサイトを選ぶ時、制限はあなたの想像力だけだ。実際、必要なのは、適当な距離にある2本の木だけなのだ。下の地面はどんな風でも全く問題では無い。
ここで重量の事にも触れておこう。
柔軟さに関して言えば、
左の写真をクリックすると拡大
氏名:アーネスト・B・エングマンErnest.B.Engman
陸軍教官(ランドナビゲーションクラス、インストラクター)
the 2d Armored
Cavalry Regiment (2d Dragoons)ゴースト小隊第一専任曹長
トレイルネーム:SGT Rock
誕生日: 1967年 3月10日
身長:173cm、体重:70kg
出生地: Decatur, Alabama.
バックパッキングした場所:アパラチアントレイル(ノースカロライナ、バージニア、ウェストバージニア、バンクヘッドフォレスト、アラバマ、シプセイフォレスト、ピンホッティトレイル、ケンタッキーマンモスケイブ・ナショナルパーク、ニューメキシコ、メキシコのエルパソ北部の砂漠、ルイジアナ・キスタッチーナショナルフォレスト、ノースカロライナ・スリックロックキルマーフォレスト、ノースカロライナの山岳地帯、スタンディングインディアントレイル他、多数。
幼少の頃から両親や祖父母とデイハイキングを始めた。最初のキャンプ体験は、兄弟、祖父と、アパラチアントレイルの一部のスタンディングインディアントレイルでだった。そのころは外フレーム方式のでウェストベルトの無い、バックパックを使っていた。ブルージーンズと木綿の長袖のシャツを着ていた。きつかったが、楽しかったのを覚えている。
成長するにつて、アラバスター自宅近辺の森やトレイルをキャンプに行くようになった。更に、トレイルを外れた場所にも出かけるようになった。覚えている限り、最も楽しかったオフトレイルハイキングは、高校の頃に行った、ノースカロライナだった。一日をフルに使ってタフなハイキングだったが、眺めは素晴らしかった。高校を卒業し、陸軍に所属する前の夏、叔父と叔母が5日間のバックパッキングに、Joyce Kilmer/Slick Rock へ連れて行ってくれた。素晴らしかった。今でも優しい思い出として残っている。その頃の一番のプレゼントだった。
ともかく、1985年8月に陸軍に入った(Fort
Knox, KY - B-5C-1)。19Dキャバルリースカウトで訓練を受け、12月にドイツのキルシュゴーンに赴任した(HHC 2-36 Infantry
Battalion, 1st Brigade, 3rd Armored Division)。
1987年12月、フォートフッドの第一機甲師団、第一旅団に所属する事になり、そのスタッフとして働いていた。その頃現妻と結婚し、一女を設けた。その後HHC 3-32 機甲師団に配属され、Bradley射撃手となった。この頃息子が生まれた。
1990 年6月、新兵補充部門に配属された。リクルートコースを受講した後、1990年8月にミルウォーキーの新兵募集係に赴任。ビーバーダム新兵募集ステーションが
1992年6月にエルパソに行った。射撃手の司令官として赴任したが、1993年はクエートに秘密任務で赴いた事もある。1994年12月、陸軍の教官 (PLDC)となった。1994年から1996年までこのクラスを教えていた。再びバックパッキングを始めたのがこの頃で、砂漠で自らのナビゲーション技術を磨いたり、家族をアウトドアの楽しみに連れ出すためにバックパッキングをした。1996年6月には、フォートノックスへ行き、BNCOCの教官、そして、ボランティアとしてフォートノックスのPLDC
のシニアインストラクターとして働いていた。シニアインストラクターとして働いて居た一年間、ランドナビケーションコースというクラスを作り上げた。その過程で
フォートノックスに居る間、バックパッキングに関する問題を深く考えるようになっていた。アパラチアントレイルやマンモスケイブ等をバックパッキングしながらどうやって軽量化できるかを実験、研究していた。長年陸軍のパトロールの習慣でたくさんの重い道具を持ち運ぶ癖がついており、しかも全てにバックアップを持ち歩くと言う思考上の枷が
フォートノックスとフォートポークの間の全長168kmに及ぶPinhoti トレイルで休暇を過ごすようになっていた。2000年2月、雪と氷のシーズン、早春にアパラチアントレイルを歩く為のテストとしては絶好だった。.10日間のバックパッキングを食料、水を入れて約30kgの荷物でスタートした。食料を途中で補充することなしに、9日間で完歩した。必要な物とそうでないものについて少し分かりかけてきた。
フォートノックスの後で
現在では
この間、新しいストーブ、ハンモック、クッキングギア、スリーピングギアなどをフィールドテストするチャンスに恵まれた。様々なフィールドでパックパッキングを行った。自分の経験で最も長い240kmに及ぶアパラチアントレイルのセクションも完歩した。
軽量化にいそしみ、最近4年間にわたるテストと実験の成果を応用していった。3シーズン用のバックパッキングに必要な重量を12kg以下に落とす事に成功した。
翻訳;川崎 一 , Translated by Hajime Kawasaki