【ソウル11日共同】ソウル中心部に位置する韓国国宝の南大門(正式名・崇礼門)の火災は11日未明、出火から約5時間半で鎮火した。石造りの土台の上に立つ木造の楼閣の2階部分は完全に崩壊し、1階部分も激しく損壊、韓国メディアは「全焼」と伝えた。
初期消火に当たった消防隊員が楼閣2階の出火現場とみられる場所で使い捨てライター2個を目撃していることや、出火直前に不審な男を見たとの情報が3件寄せられていることなどから、警察は放火の可能性があるとみて捜査している。
警察と消防は合同で本格的な現場検証を実施、現場周辺に設置された監視カメラの映像の分析作業も進んでいる。
政府は11日午前、韓悳洙首相の主宰で対策会議を開き、再発防止策などを論議。李明博次期大統領も現場を視察した。
YTNテレビなどは、初期消火の失敗で被害が拡大したと指摘。文化財庁から慎重な消火作業を要請された消防当局が当初、徹底した放水や延焼防止措置を取らず、対応が後手に回ったと報じた。