【週間賞】下平真弓さん──「白鳥の餌付け中止」を決断した寄居町観光協会
月間賞は渡辺美寿さんの連載「発達につまずきのある子」
OhmyNews編集部(2008-02-07 21:00)
無理難題を吹っかける雪国のクレーマー 伊藤和明さん
「白鳥の餌付け中止」を決断した寄居町観光協会 下平真弓さん
音をたててそばを食べてはいけないの? 松山紀子さん
この週(1月26日~2月1日)は上記3本に、市民記者編集委員、編集部員の票が集まりました。どれも読んで面白く、考えさせられる記事でしたが、週間賞は下平さんの「『白鳥の餌付け中止』を決断した寄居町観光協会」にしました。
理由は、自分のごく【私】的な興味を、多くの【公】け(おおやけ)の人が読めるニュースへと高めるプロセスがとてもしっかりしていることです。いわゆるプロ記者がやっているプロセスと全く同じです。
今冬は白鳥が来ないでがっかり→「何羽か来ていたよ」と耳にする→自分で現場に行って目で確認→地元管理者に質問→疑問浮上→他の当局者に質問→消費者側に反応取材……といったプロセスがそのまま記事に示されていて、後段に示される自分なりの考えに対する説得力を高めています。カギカッコでくくられた会話の主(取材相手)がほとんど名前と一緒に登場できているのは、記者が相手に信頼されているからだと想像します。
寄居町の出来事にもともとニュース価値があって、「ニュースだから報道した」というより、むしろ、これらのプロセスを経ることによって、何気ない日常のなかから「ニュースが浮かび上がってくる」ことを示したMyNewsの好例です。下平さん、おめでとうございます。
なお、1月の週間賞はこれまで、
海賊版DVDは永遠に不滅です!? 趙秋瑾さん
「1.17」を忘れない 小澤健二さん
発達につまずきのある子 (3回連載) 渡辺美寿さん
でしたが、上記4本の週間賞のなかから、テーマ性、事実の持つ迫力、文章力の観点から、月間賞は渡辺さんの連載「発達につまずきのある子」にしました。渡辺さん、おめでとうございます。
ロングテールぶり実証中
07年8月からヤフーニュースに記事を配信していますが、これら配信分以外にも、ヤフーニュース編集部が、既存大手メディア記事の「関連ニュース」としてオーマイニュースをリンクするケースが増えています。1月のケースでは以下の記事が目につきました(ほかにも当編集部が気づいていない例があるかもしれません)。
2010年 新築マンション価格は大幅下落する! 星野文孝さん(2007年8月19日初出)
どうなる倉敷チボリ公園!? 藤本拓自さん(2008年1月16日初出)
KYはわかっても、ITがわからない 林美幸さん(2008年1月28日初出)
星野さんの記事は不動産経営研究所のデータ読み取りが洞察に富んでいたため、07年8月のオーマイ初出にもかかわらず、08年のマンション動向を示す記事の関連ニュースにピックアップされました。こういった形で、何かの折に、以前の記事がピックアップされ、再び読まれやすいというのはネットニュースならではです。
タイミング的に、自分の周囲の話題に、全国ニュースが後から追っかけてくることはよくあることです。たとえ、その日そのときのPVは少なくても、信頼性が高く、面白い記事であれば、時間を経て、確実に読み返されます。ですから、粗製乱造ではなく、渾身の1本をお待ちしています!(平野)
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【受賞記事の選考プロセス】
週間市民記者賞は、以下のプロセスから選出されます。
(1)アクセス数やコメント、スライドなどで評価の高かった記事を抽出
(2)そこから編集部員と市民記者編集委員が、1人につき3本程度の記事を推薦
(3)その中から上位を選出し、編集長が受賞記事を決定し、講評
なお、選出は「論や意見よりも、事実を前面に出した記事」を優先しています。
週間市民記者賞の受賞記者には特別原稿料として1万円を、その中から月間賞に選ばれた場合はさらに3万円を進呈します。
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