黒いページ企画32


取り繕うのが大変ですね、ソフトバンクの財務


ソフトバンクグループの財務情報が公開されました。昨年に比べて、ソフトバンクモバイルの成績好調もあって、売上20%増、営業利益50%増、なんて宣伝していますが・・・。

実際の公開資料(PDF注意)を見てみると、この中で、非常に重要なある財務指標が、いろんな発表会でわざと触れられていないことに気づきませんか?

企業が活動を行うとき、何よりも重要なのは資本。そしてその中でも特に、現金の出入りというのは、非常に重要な指標です。それを表したのが「キャッシュフロー」。

例えば、一般の企業でよくあるんですが、営業利益の成績はあまり良くないけれども、キャッシュフローは大幅なプラス、ってことがあります。これは、投資を回収している状態を表しています。投資した設備の減価償却で営業費用がたくさん計上されてしまうけれども、それに関わる実際の現金の持ち出しは無いわけですから(減価償却はあくまで帳簿上の損ですから)、結果、キャッシュフローはプラスになり、会社としてはより健全な体質に向かっているわけです。

それでは、ソフトバンクの営業キャッシュフローを見てみましょう。

昨年度、1871億3900万円。

今年度、4億4300万円。



なんと、去年に比べて

99.8%の減

です。

なぜこんな状態になっているのか。

答は簡単です。

単に財務をよく見せるために、スーパーボーナス必須にしたからです。

スーパーボーナスの利用者の借金は、そのままソフトバンクの債権として計上されます。これは、売り掛け債権としてそのまま売上に計上されてしまうのです。ソフトバンクの売上が大幅増となったカラクリはここにありました。

しかし、実際にはスーパーボーナス特別割引という形で相殺されるためこの債権の価値はゼロと同等です。つまり、元々存在しない売上を計上して、見た目の財務をよく見せてしている、と言うことです。

そしてそのことを如実に示して見せたのが、営業キャッシュフローの数字。さすがのソフトバンクも、この数字だけはごまかすことができませんでしたね。

さてこのままソフトバンクがある日大クラッシュを起こすのか、それとも新たなごまかし手段を考案して自転車操業を続けるのか、なかなか見物と言えますね。

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