黒いページ企画26
法遵守って何ですか?byソフトバンク
また書くよ。ソフトバンクの悪口(笑)。
今回は、ソフトバンクが二つ(厳密には三つ)の法律違反を犯していると言う話。
それは言わずとしれた、ソフトバンクが景品表示法と電気通信事業法に違反している可能性と言うもの。
この辺、もう少し詳しく解説してみます。
まず、景品表示法違反について。
ソフトバンクは、件のゴールドプランの広告に、大きく「¥0」の文字を掲げ、通話とメールが無料であるかのように宣伝しました。しかしながら、実際に通話とメールが無料となるのは、ソフトバンク同士だけで、かつ、通話については21時〜25時についてはソフトバンク同士でさえも無料にならないというものでした。
その上、TVの広告では、その注意事項として表示されていた上記のサービス適用外条件の表示は、TV信号(NTSC)の解像度では認識不可能な小さな文字で表示されていました。これは、表示していないことと同等と見なされます。
つまりこれは、景品表示法で禁じられた「一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがある」表示に当たります。
さらには、ゴールドプランは本来9600円であるが、2007/01/15までに契約すれば2880円とする、と言う表示についても、景品表示法上の問題点が指摘されています。これは、景品表示法上の不当価格表示についての見解で、「将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示」について「将来の価格設定は,将来の不確定な需給状況等に応じて変動するものであることから,将来の価格として表示された価格で販売することが確かな場合(需給状況等が変化しても表示価格で販売することとしている場合など)以外において,将来の販売価格を用いた二重価格表示を行うことは,適切でない」としています。そして実際に、孫先生は「1/15日以降にも(2880円のキャンペーン価格を)続けるかどうかは決定していない」と述べているとおり、将来の価格として表示された価格で販売することが確かな場合にはあたりません。ですので、これも景品表示法違反に当たります。
次に電気通信事業法違反です。
これは、2007/1/15までを期限として、その間にゴールドプランに加入した契約者に対しては、その契約期間によらず永久に2880円で提供する(11年目以降の割引率を適用する)としている契約についてです。
これは、電気通信事業法19条で禁止された「特定の契約者に対する不当な差別的取り扱い」に当たります。
そして、過去にも全く同様の事例で、総務省から料金変更命令が下された例があります。
NTTドコモの複数回線複合割引に対する料金変更命令です。
この例では、副回線の割引率について、長期割引を含むものとしながら契約期間によらず一定の割引率を適用したことに対して、「副回線の割引率は、長期契約割引相当分を含むものとしているにもかかわらず、契約期間によらず一律に割引くことには合理性がないことから、当該複数回線複合割引の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであり、電気通信事業法第31条第2項第2号の規定に該当するものと認められる。」と判断を下しています。
今回のソフトバンクのキャンペーンについても、キャンペーン終了後もキャンペーン期間中に加入した契約者に対しては、契約期間によらず11年目以降の割引率を適用すると言う扱いであり、まさに「長期契約割引相当分を含むものとしているにもかかわらず契約期間によらず一律に割引くことには合理性がない」と同等のことが言えるわけで、これは確実に「不当な差別的取り扱い」に該当すると言えます。
また今回の例では、通常の契約価格9600円に対し、差別的料金として「2880円」を示しており、その格差は実に333%にも及びます。ほんの5%や10%で変更命令を受けた過去の例から見れば圧倒的に悪質な差別的扱いです。
このような法遵守の精神も利用者保護の精神も持ち合わせない悪徳事業者、例え今回が軽い注意で終わったとしても、今後利用者からの厳しい視線は免れないと言えましょう。
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