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【溶けゆく日本人】蔓延するミーイズム(6)ダイエット志向 (3/4ページ)
このニュースのトピックス:溶けゆく日本人
厚生労働省が平成16年に実施した「国民健康・栄養調査」によると、「やせ」に分類されるBMI(体重÷身長÷身長)18・5以下の人は、20代で21・4%、30代で15・6%に上り、20年前に比べて大幅に増加した。半面、「肥満」に分類されるBMI25以上の人は20代から50代まで各年代で減少している。
片野さんは「男も女もいまや中身より外見で評価される時代。海外に比べてやせ願望が極端に高いのは、かわいらしさや若々しさに価値観を置く日本独特の文化の表れでは」と話す。
「いつまでも自分の理想のきゃしゃな姿でいてほしい」という身勝手な気持ちから、娘が中学の運動部に入るのを強硬に反対した父親もいるという。
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肥満外来を開設する東京都世田谷区の「自由が丘マナクリニック」には、「ウエストにくびれがほしい」「太ももだけ細くしたい」「お腹の脂肪だけ減らしたい」とエステ感覚で気軽に駆け込む女性も少なくない。
場所柄もあって肥満外来を訪れる患者の9割は女性で、その多くが20〜30代の若い女性だ。なかには見た目もスリムで標準体重にも満たないのに、「自分は太っている」と深刻に思い悩む人もいる。
山口康人院長は「過度な食事制限をすれば必要な栄養を摂取できなくなり、貧血や骨粗鬆症、生理不順とそれに伴う将来の不妊症など、身体への影響は大きい」と危機感を募らせる。